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私の涙腺。 ページ30

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「おばさん、こんばんは…!」


「あら京治くん、そんなに急いでどうしたの?」


「A、にっ…ノートを、返し、にっ、…」





息はすっかり上がっているが、赤葦宅から少女の家までの距離は汗をかくほどではない。まして、赤葦は現役運動部所属の高校生だ。人並み以上に体力には自信がある。





「まあまあ、夜遅くにわざわざどうもね。うちの子なら部屋に居るわ。どうぞ上がって?」


「っ、お邪魔しま、す…」





赤葦は礼儀正しく靴を揃えてから、少女の部屋へと続く階段に足をかけた。





――おじさんの靴がないってことは、まだ帰って来てないんだな。つまり、今んとこ気を付けなきゃいけないのはおばさんだけってことか。





少女の母親に、この異変を悟らせてはならない。赤葦はなるべくいつも通りを心掛けた。





コンコ「京、治…」


「A、……入るよ」


「ん…」





ノックが聞こえるやいなや、少女は部屋の扉を開けて赤葦を招き入れる。



赤く腫れぼったい少女の目と鼻声は、赤葦の胸を締め付けた。





「来てくれて、ありがと……」


「気にしないで?頼ってって言っただろ」


「……ひっ……っう、ぅ…!」





赤葦に頭を優しく撫でられ、次は安堵から涙腺が緩んでしまう少女。





「大丈夫。俺がついてるからね」





そっと赤葦に抱き締められ、少女は声を殺して涙を流した。

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幼なじみの対応。→←幼馴染の願い。



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たなぱし(プロフ) - ごくえんろうさん» わ、ヤンデレ牛島君(なんか闇金ウシジマくんみたい←)もご覧になっていだだけてるんですね!!嬉しいです^^牛島君のヤンデレは他ではあまり見かけませんよねー。自分得で書かせていただいてます笑 (2017年3月18日 7時) (レス) id: 8222ef3129 (このIDを非表示/違反報告)
ごくえんろう(プロフ) - たなぱしさん» 私は真っ黒黒葦派です(笑) ヤンデレ牛島君も読ませていただきました! 赤葦君も牛島君も好きなので嬉しいです(*´艸`*) (2017年3月18日 0時) (レス) id: 82fd8ee9bf (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ごくえんろうさん» たなぱしとしては赤葦君好きが増えて何よりです!ただ、続編では赤葦君の印象がガラリと変わってしまうので……ちなみにたなぱしは真っ白葦も真っ黒葦もイケるクチです。もう赤葦君なら、なに葦でもイイです。赤葦に幸あれ(真顔)← (2017年3月18日 0時) (レス) id: 8222ef3129 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ごくえんろうさん» ごくえんろうさん、コメントありがとうございます!うわああ、本当ですね!最後の最後に締まりませんね!←これは圧倒的誤字ですね。指摘ありがとうございます!!! (2017年3月18日 0時) (レス) id: 8222ef3129 (このIDを非表示/違反報告)
ごくえんろう(プロフ) - ストーリー、とても面白いです!赤葦君をこの小説で好きになりました! あの、私と幼馴染と車内で。の最後らへん、『赤葦はスルッと』の部分なのですが、少女戸になっています。誤字ではないでしょうか。長文、失礼しました。 (2017年3月18日 0時) (レス) id: 82fd8ee9bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たなぱし | 作成日時:2017年2月8日 21時

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