幼馴染の恋愛事情。 ページ24
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少女が去った後、二人の間に何となく沈黙が生まれた。
「…赤葦ってモテるよな」
それに終止符を打ったのは、森だった。
「は?どうしたんだよ。急に」
「いや、なんとなく」
「何だそれ?取り敢えず、お前には言われたくない」
「言うほどそんなんでもないって」
実際には2ヶ月に3人程から告白されている二人である。ここまでくると、謙遜も最早嫌味である。
「赤葦はさ、好きな奴とかいんの?」
「なんで」
「や……ほら、告白とかOKしたためしねえじゃん」
「それは俺に好きな人がいるのが理由だと?」
「ああ。同じ部活のやつに聞いてくれって頼まれて…」
「へー」
森は嘘をついた。本当はただ単に自分が知りたかっただけだ。
「いるよ」
「あ、…そ、そうなんだ……」
「ああ。俺としては、たとえどんな手を使ったとしても絶対手に入れるつもり」
「へ、へー……」
いつになく真剣な赤葦の様子に、思わず森は手に汗を握った。
「…しんじは?お前にはいるの?自分の全てを捨てることができる程の覚悟を持てる相手」
赤葦の漆黒の双眼が、森のそれを捉える。
「お、俺は、……『キーンコーンカーンコーン…』
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「まあ別にいいや。次って数学だっけ?」
「あ、ああ」
「寝るなよ?」
「約束はできない」
「アンタが学年20入りしている意味が分かんない」
「睡眠学習かもな」
「ふっ、一生寝てろ」
そうふざけあいながら教室に向かう二人。先ほどのギスギスした雰囲気は消えていた。あくまで表面上では、だか。
本来ならば、そんな会話をする必要はなかった。互いに気が付いていた。二人とも好きな相手がいるのだと。更に、相手が同じだということも。
二人とも、少女に想いを寄せていた。
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山本さんハピバっす!!
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たなぱし(プロフ) - ごくえんろうさん» わ、ヤンデレ牛島君(なんか闇金ウシジマくんみたい←)もご覧になっていだだけてるんですね!!嬉しいです^^牛島君のヤンデレは他ではあまり見かけませんよねー。自分得で書かせていただいてます笑 (2017年3月18日 7時) (レス) id: 8222ef3129 (このIDを非表示/違反報告)
ごくえんろう(プロフ) - たなぱしさん» 私は真っ黒黒葦派です(笑) ヤンデレ牛島君も読ませていただきました! 赤葦君も牛島君も好きなので嬉しいです(*´艸`*) (2017年3月18日 0時) (レス) id: 82fd8ee9bf (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ごくえんろうさん» たなぱしとしては赤葦君好きが増えて何よりです!ただ、続編では赤葦君の印象がガラリと変わってしまうので……ちなみにたなぱしは真っ白葦も真っ黒葦もイケるクチです。もう赤葦君なら、なに葦でもイイです。赤葦に幸あれ(真顔)← (2017年3月18日 0時) (レス) id: 8222ef3129 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ごくえんろうさん» ごくえんろうさん、コメントありがとうございます!うわああ、本当ですね!最後の最後に締まりませんね!←これは圧倒的誤字ですね。指摘ありがとうございます!!! (2017年3月18日 0時) (レス) id: 8222ef3129 (このIDを非表示/違反報告)
ごくえんろう(プロフ) - ストーリー、とても面白いです!赤葦君をこの小説で好きになりました! あの、私と幼馴染と車内で。の最後らへん、『赤葦はスルッと』の部分なのですが、少女戸になっています。誤字ではないでしょうか。長文、失礼しました。 (2017年3月18日 0時) (レス) id: 82fd8ee9bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たなぱし | 作成日時:2017年2月8日 21時