狐につままれた (ページ10)

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数日後の昼休み、私は幸と遥花と以前のバレー部の試合の話をしていた

「そういえば前のバレー部の試合凄かったなあ！！」

「バレーあんま知らんけど凄いことはわかったわ。」

『あれはヤバいよ、ほんとにヤバい。』

『私、ポジション的にバレーの中ではMBが1番好きなんだけど…』

東京にいた時の知り合いもMBとして活躍してるみたい

『稲荷崎のMBはほんとに凄い。』

『体幹がぶれなさすぎて逆に怖い。』

『めっちゃカッコよかった。』

私がめっちゃ語っていると2人が考えたような顔をした

「あー、角名くんのポジか？」

『スナ君？？』

あのMBの名前はスナ君というらしい

「高坂さんって居るか？」

そんな中私を呼ぶ声が教室中に響きわたった

扉のところに立っていたのはどこかで見覚えのあるような男の人

恐らく上級生だろう

「俺は北信介や。高坂さん、今ちょっとええか？」

北先輩に連れられ、私は中庭へと移動した

「急に連れてきてすまんな。」

『いえいえ、気にしないでください！あの、用事って…？』

(いきなり呼び出されて結構緊張…私なんかやらかしたっけ？)

(この人、何処で見たんだろ…)

「俺はバレー部のキャプテンなんやけど…」

『あ…！！』

そうだ、1番の番号の人だ…

「前の練習試合見てくれてたんやろ。ありがとな。」

『とても楽しい試合でした！！1人1人の動きも凄くて…』

『普段の練習が丁寧なんだなー、って伝わってきました！』

私がそう言うと北先輩は頷いた

「日々の練習は裏切らんからな。」

「すまんな、本題に入るわ。」

「実は銀から、高坂さんならマネ出来るんやないか、と試合の直前に相談を受けてな。」

(ん？)

「俺は試合に出てへんかったから少し高坂さんを見てたんやけど…」

(ん？？)

「以前募集したときは侑達目当ての女子が多くてな、試合の見学もそうや。」

「けど、高坂さんは試合のとき、人を見てた言うよりは選手として観察してたって言った方が正しいやろ？」

「銀も語られた言うてたしな。」

『・・・・・』

「俺は銀の言ってることは正しいなって思ったんや。」

「そこで、銀からも誘われたと思うんやけど…」

「もしよかったら、バレー部のマネージャーになってほしい。」

(先輩からも勧誘？？あれは銀の個人意見じゃなくて、部の中の問題になってたの？？)

「無理にとは言わへん。ただ、検討してみてほしい。」

(な、なんか大事になってきてる！？！？)