狐につままれた (ページ6)

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「Aちゃんおはよう！！」

「おはよう。」

『おはよー！幸！！遥花！！』

元気な方が川崎幸ちゃん、落ち着いてる方が藤咲遥花ちゃん。吹奏楽部所属の同じクラスの女の子たちだ

昨日、私に話しかけてくれて一緒に昼も食べた

(稲荷崎の皆ほんとうにいい子だなぁ…)

そんなことを考えていると銀が教室に入ってきた

「おはよう、A。」

『銀おはよー！』

昨日のことを問い詰めようと思ったが、これも銀の優しさなんだな、と思いやめておいた。

「なあ、A。今日、部活で練習試合あるんやけど見ていかん？」

『え、部活ってバレーだよね？』

「せや。マネしとった言うてたし、好きなんやろ？バレー」

今日は特に用事はない日だった

『じゃあ、見に行ってみようかな！銀がスパイク打ってるとこもみたいし、例の3人もみてみたいしね！！』

「決まりやな！きっと鳥肌たつくらい感動すると思うで！！」

『そんなに？楽しみにしてるね！！』

「ほな！また後でな！！」

銀は嬉しそうに走り去っていった

2人は驚いたような顔をしていた

「A、銀島君と仲ええんやね。」

「ほんまにビックリしちゃたわ！！」

『席隣でバレーの話とかしてたら仲良くなれたんだよねー。』

『私の脳内ではめっちゃいい人認定してるから笑』

「銀島いい奴よなー！！」

(それな！！！！！)

1人で行くのは心細いと言ったら2人も着いてきてくれるらしい

2人とも見学には行ったことがないみたいだ

「やっぱ女子たちが凄いんやろなー。」

『そんなに凄いの？その…3人…？』

恐る恐る聞いてみると必死に頷かれた

「めっちゃ人気やねん！！特に宮侑とかな！？」

(でた！ミヤアツム！！！)

誰だよ…とか思っていると遥花が視線を別の方向へ向けた

「アイツや。宮侑。」

遥花の視線の先には銀と話している金髪の男子がいた

(え…染めてるの！？怖！！！！)

「まあ、顔はいいよな。」

「"顔"はな。」

(めっちゃ言うじゃん笑)

性格は悪いってことかな、とか思っていると一瞬ミヤアツムと目が合った気がした

(普通にかっこいいな…これで運動部ならモテるのも納得。)

先生が入ってきて私は自分の席に着いた