狐につままれた (ページ49)

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私達は一度学校に行って、倉庫に材料を置いた

北先輩は前のようにまた家まで送ってくれるようだ

今日1日で新たな北先輩の一面を知れた気がしてとても嬉しくなった

その日の夜、今日のことを思い出してあまり眠ることが出来なかった

次の日、部活にお邪魔することになった私が体育館に向かうと、そこには既に2年生全員が集まっていた

私は来るのが少し遅い方だが、普段なら間違いなく双子(侑)の方が遅くきていたはずだ

『…？珍しく双子早いね。』

「せ、せやろ！！今日は早く来たい気分やってん。」

「なあ！？治！？」

「せ、せやな。侑」

『・・・』

私は2人に違和感を覚えた

『ちょっと角名、双子どうしたの？』

「さ、さあ？俺も知らないんだよね…」

角名がチラッと私を見て言った

『・・・』

変なのは双子だけじゃないらしい

2年生全員がそわそわしている気がする

『ちょ、まじでどうしたの？？』

私が聞くと、皆は顔を見合わせて私の方を向いた

「A、その…北さんのことなんやけど…」

『え？北先輩？？』

私が聞き返すと

「Aやないか。」

北先輩の声がした

声の方に振り向くと、そこには3年生の先輩方が揃っていた

『北先輩！アラン先輩に赤木先輩、大耳先輩もおはようございます！』

侑達は皆して目を見開いている

「A、昨日はありがとう。ほんまに助かったわ。」

『全然です！私こそ色々とありがとうございました…』

侑達だけでなく3年生の皆さんも私たちの会話を聞いて目を見開いていた

2年生でコソコソ話をしだしたかと思えば、侑が突然声を張り上げた

「なあ！A！！１つ聞きたいんやけど！」

私がどうしたの？と聞くと、侑は決心したように言った

「き、北さんと付き合うてるんか！？！？」

『・・・は？』

予想外の質問に北先輩も驚いていた

『急になんで？』

「せやかて、土曜一緒に出掛けてたやろ！？」

『なんで知ってるの！？』

「たまたま約束してるのを聞いたんや！！」

「なるほどな…だから侑達も居たんか。」

『え？居たの？』

「クレープ買いに行ったときに会ってな。」

「べ、別に！？A達が何処に行くのか気になったから俺と角名と治と銀で尾行してた訳じゃあらへんで！？」

「おい、ばか…！！」

侑がアホだということが今の会話から十分にわかっただろう

角名と銀と治が救いようがない…と言いながら呆れている