狐につままれた (ページ46)

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『うーん…』

私、高坂Aは自宅の鏡の前でとても悩んでいた

『こっち？いや…』

私は明日、北先輩と買い物に行くという用事が出来てしまった

『北先輩の隣に並ぶに相応しい格好じゃなきゃ！』

幸と遥花にビデオ通話をしながらどれがいいか考えてもらうことにした

「あー！それめっちゃかわええ！」

「せやな。でも私はこっちの方が好き。」

『えー！余計迷うんだけど！？』

私が悩んでいると

「なんやAちゃん、デートする前の彼女みたいやなー笑」

幸が意地悪げに言った

『な！そんなんじゃないから！』

結局私は遥花が好きと言っていた方の服装にすることにした

「これで北先輩？もメロメロやな。」

「デート楽しんでな！感想待ってるで笑」

『デートじゃない！！めっちゃ楽しんで来るね！2人ともありがとうー！』

そこで電話は終わった

(はあ、ただの部活の用事だし…)

(北先輩とお出掛け…結構楽しみ！！)

その日、私は早めに寝た

事前に用意していた私は、待ち合わせの時間の10分前くらいに集合場所に来れた

気長に待っていよう、と考えていたがその必要はなかったみたいだ

『え！？北先輩！？！？』

「高坂さん、おはようさん。」

そこには既に北先輩が来ていたのだ

『あれ…私集合時間、間違えちゃいましたか…？』

私5分前に来たよね？

「いや、合ってるで。俺が早く来すぎただけや。」

『お待たせしてすみません！！』

「いや、そんなに待ってないで。謝る必要はない。」

そこで私は冷静に北先輩を見つめた

(え、北先輩めっちゃ私服かっこいいんだが？？)

(さすがイケメン、私服もイケメン？だ)

「？？高坂さん？どうかしたか？」

長く見すぎたのだろう、北先輩は不思議そうに私をみている

『あ！す、すみません…』

『その…私服が見慣れないな…と思いまして…』

私がそう言うと北先輩は目をパチパチさせて

「そやな、高坂さんめっちゃ似合っとるで。」

今度は私が北先輩の言葉に目をパチパチした

北先輩の言葉の意味を理解したとたん、顔が熱くて仕方がなくなった

(え？？え、え？)

『そんな…き、北先輩こそ！！とてもお似合いです！めっちゃかっこいいです！！』

(やば、かっこいいって言っちゃった…本心だけど恥ず…)

「・・・ありがとな…笑」

北先輩が少し照れながら微笑んでそう言った

私はそのときの北先輩の顔を忘れることはないだろう

私は真っ赤な顔で、ずっと北先輩に視線を向けていた