狐につままれた (ページ5)

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銀島との帰り道は、行きのときのような緊張感はなく、とても楽しい時間だった

銀島はトークスキルがとてもあって、話していてとても楽しい

私が宮城にいたときの話なども熱心に聞いてくれた

話が盛り上がって、仲が深まり、お互いの事を"A"、"銀"と呼び合うようになった

(めっちゃ話しやすい！！てか、稲荷崎初の男友達出来た…)

心の中で銀島を褒め称え、感動していると銀が私に質問をした

「そういや、Aって中学のときバレー部だったんやな。」

『そうなんだよー。高校でも宮城ではやってたよ』

私がそう答えると銀は考えたような顔をして言った

「こっちではやるつもりはないん？」

『入る気はないかなー。バレーをしている部員の手助けをする、っていうのは凄くやりがいもあって楽しい仕事だけどね。』

『それに稲荷崎って男バレマネ募集してないんでしょ？』

「・・・・・」

「実は俺、バレー部やねん。」

『・・・・・』

『・・・・え？』

『そ、そうだったの！？』

体格のよさや筋肉のつき方をみて、運動部だろうなとは思っていたけどまさかバレー部だったとは…

そこから私は銀の、稲荷崎のバレー部についての話を聞いていた

銀はウィングスパイカーで、バレー部にはとてつもなくモテる、セッターとウィングスパイカーの双子と、ミドルブロッカーがいるらしい

『え、もしかしてその3人がモテすぎて女子が集まるからマネ募集してないの！？』

「そうなんよ…」

銀は困ったように笑った

(いやいやいや、その3人どんだけカッコいいの？そんな設定、漫画かよ！！！)

(そういえば宮城の先輩にもこんな感じの人がいたな…)

そんなことを思い出しながら話していると、私の家の前に着いた

『あ、ここ！！私の家！！』

「おぉ、ここか。結構遠かったな。俺の家はもうちょい奥や。」

また明日な、そう言って銀は私に手を振った

『銀、送ってくれてありがとう！！銀と話してるの凄い楽しかった！！』

「全然かまへんよ。ほな。」

銀がとても優しい顔をして笑っていた

『またね！』

家の鍵を開け、ドアを閉じようとしたとき、驚くべき光景を目の当たりにした

銀が今歩いてきた道を戻るように歩いていった

(え、？銀の家ってこっちなんじゃ…？)

もしかして…銀の家は逆方向なのでは…？

わざわざ私のために…？

(って、何自惚れてるんだ私！！)

私は今日1日で何度心の中で叫んだだろう

(銀島結いい人すぎるでしょ！！！！！)