狐につままれた (ページ38)

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自己紹介の途中、クロくんが私に質問してきた

「ねえねえ、A。こいつの名前知ってる？」

そう言ってクロくんが肩を叩いたのは、プリン頭の男の子

どこかで会ったことがあるのだろうか

顔をじっと見ても全く思い出せない

流石にプリン頭の人に会ったら忘れることはないと思うのだが…

『・・・・・？』

「っ…あははははっ…」

「忘れられてんじゃん笑」

「クロうるさい。あのときは髪染めてなかったし、わからないのは当然だから。」

プリンくんは私の方を見ると名前を教えてくれた

「俺は孤爪研磨…久しぶりだね。覚えてる？」

(こづめ…けんま…？)

って！！！

『け、研磨！？！？』

「うん、そうだよ。」

研磨は安心した顔をした

『髪染めたの！？めっちゃ似合ってるよ！元気そうだね！！』

「ありがと。Aも凄い元気そうだね。」

『てか、2人ともバレー続けてたんだね！！よかった…』

「Aこそマネやってたんだな。ビックリしたわ。」

「待て待て待て！！」

そう言ったのは田中によく似た山本

「Aさんとクロさんと研磨ってどういった関係！？なんですか！？」

(確かに、私達全く接点ないよね笑)

(そりゃあビックリするわ。)

「俺とクロとAは幼馴染？的な感じ。」

「幼馴染…！？！？ずるいぞ研磨！！」

「なんで俺？クロに言いなよ。」

2人で少し言い合いを始めた

山本は幼馴染に憧れでもあるのだろうか

「おい、お前ら落ち着け。」

そう言って2人を止めたのは夜久さん

「ごめんなAちゃん、騒がしくって。」

『全然！とても賑やかで楽しいです！！』

それならよかった、と夜久さんは笑った

菅原先輩と似た雰囲気を感じる

「さて、自己紹介も終わったことだし…早速、練習試合始めるぞ！」

「最初は梟谷とだ！」

「行くぞ！お前ら！！」

そうして、私の音駒マネとしての仕事がスタートした