31 ページ31
私は、その言葉を聞き、震えながら口を開いた
『あのね、靴箱の中にね、悪口書かれた紙が入ってたりした。』
「うん。」
『靴に画鋲入ってたりした』
「うん。」
『それ以外にも…もっと…もっと…たくさんあった』
「うん…」
『悪口だけじゃなくて、脅迫みたいな文になっていった』
『これ以上仲良くしたらバレー部の練習邪魔するって』
『私、それだけは嫌で…』
『そ、それで…それで…』
『っ…怖かった…』
一度口にしてしまえば止まらない
『め、めっちゃ…こわかった…』
『でも…みんなに心配かけるとおもって…』
『相談できなかった…何かあったら言ってね、って言われてたのに…』
「っ…ごめんね…」
角名が私を抱きしめる力が少し強くなった気がした
その角名の優しさに、私は涙を堪えきれなくなってしまった
「怪我させちゃってごめん…」
「守れなくてごめんね…」
角名は何も悪いことしてない、そう言いたかった
言葉が上手く出てこなくなるなるのと反対に、涙は止まらない
遠くの方でチャイムが鳴る
それでも私達が動くことはなかった
私は初めて授業をサボった
383人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほの | 作成日時:2024年3月2日 16時