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「意外に上手いなあ。」
『ほんと!?』
「授業でしかやってへんのに、これくらい出来るなら上出来や。」
「まあ?俺らのプレーを普段から見てるからな。」
「これくらい出来て当たり前やな笑」
侑がニヤニヤとしながら煽ってくる
『うざ…』
「なんやと!?」
少しの言い合いをしながらも私達はレシーブの練習などをしていった
『侑!今のめっちゃ綺麗じゃなかった!?』
「せやな!今のは凄かったわ。」
「・・・・・」
何回もレシーブをしている私をみて、侑が急に黙りだした
「なあA、もうちょい構えかたと手の位置変えてみたらどや?」
侑が説明をしているが私にはよくわからなかった
『??』
「せやから!!!」
侑がいきなり私の後ろにまわり、私の手を掴んだ
『ち、ちょ!!』
「いいか?もう少し腕は前。そして少し低めに構えるんや。それとボールはもうちょい前の方で上げた方がええと思うで。」
「それと…」
侑が丁寧に一生懸命説明をしている
しかし私は全然頭に入ってこなかった
(は!?!?え、距離近!)
(ば、バックハグみたいじゃん…)
侑はとてもモテる
普段はあまり気にしていないがイケメンだ
しかも私が勝手に意識して1人で恥ずかしくなっているだけであり、侑はとても真面目に説明しているのだ
「A、わかったか?・・・?A?」
『え!?あ、わかった!!』
『めっちゃわかりやすかったよ…』
「絶対あんま頭入ってへんやろ。どうしたんや。」
『いやー、えっと…』
私の顔が少し赤くなっていることに気づいたのだろう
侑は少し考えたあと、意地悪な笑みを浮かべた
「ほーん?Aちゃん?どうしたんや。」
『べ、べつに?特に何もないけど。』
「俺と距離近くて恥ずかしかったんか?」
侑はさらに私との距離をつめた
『そんなんじゃないし!』
「言い訳はええんやで。」
「ちょっと距離近いだけで顔赤くなるなんて…」
「Aちゃんはかわええなあ。」
侑が耳元で囁いた
これがイケメンの余裕というやつだろうか
『か、からかわないで!!』
私がそう言うと侑は私から離れた
「すまんすまん、ちょっとからかうのが楽しくなってしもうたわ。」
『っ…ほら!練習しよ!!時間勿体ない!!』
「さっきの俺が言ったコツ覚えてるんか?」
『余裕だし!!』
(心の余裕はないけどね…)
私は熱くなった顔を手であおいだ
私が、その様子を楽しそうな顔をして見ている侑に気づくことはなかった
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作者名:ほの | 作成日時:2024年3月2日 16時