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『あ!!前の…』

(名字の読み方わからなかった人だ…)

『本当にすみませんでした…』

「何回謝るのさ笑、気にしてないよ。」

典型的なモテ男って感じの人だ

『そういえば、バレー部だったんですね。』

(運動部なんだろな、とは思ってたけど…)

「あれ?ぶつかったとき気づかなかった?」

(え?)

「いや、あなたを見かけたの初めてですし…」

彼が少し目を見開いた

「あー、気づいてない感じ?そっか…」

???

(あれ、どっかで会ってたっけ?)

私はもう1つ気になっていたことを彼に聞いた

『それと…なんで前会ったとき私の名前知ってたんですか?』

『あのときは話したこともなかったですよね?』

彼は少し考えたような顔をした

「いやー、普通に気になるでしょ。」

(気になる…?)

『?』

私が困っていると彼は意地悪げに笑った

「試合のとき、あんなに熱心に俺に目を向けられたらさ。」

「そりゃあ気になっちゃうよね。」

「そしたらいつの間にか侑と仲良くなっててさ?」

(試合のとき…熱心にみていた…?)

その時、彼に見覚えがあった理由がようやくわかった

『も、もしかして…試合に出てたMB!?!?』

「そ。あれが俺。」


(うわ…なんで気づかなかったんだろ…)

(てか、めっちゃ見てたのバレてたの!?恥ずかし!!)

「なんやと!?俺が1番カッコよかったって言ってたやないか!」

『それは言ってない。私、ポジションはMBが一番好きだから。』

「セッターはどうした!?浮気か!!」

『いや、侑の事も見てたよ?でもやっぱ自然と目がMBを見ちゃうよねえ…』

「なんやと!?」

侑と言い合っていると1つの疑問が浮かんできた

『え、でもさ、あのMBの名前ってスナ君っていうんじゃないの?』

私がそう言うと彼はポカンとした顔をした

「俺がそのスナ君だけど?」

『え?』

「だから、俺が角名倫太郎だよ。」

『え!?!?』

『う、嘘だ!!』

『角度の"角"に名前の"名"でスナって読むの!?』

その言葉に自称スナ君だけでなくバレー部全員が吹き出した

「そやで、コイツは正真正銘、稲荷崎のMB、角名倫太郎や笑」

「初見やと読めんよな、俺も最初読めんかったわ笑」

『ま、まじかあ…』

角名君は未だに大爆笑している

少し独特な笑い方だ

「ほんとに面白すぎるでしょ笑」

角名くんは少し息を整えてから話しだした

「改めて、俺は角名倫太郎。同い年だから敬語やめていいよ。」

「よろしくね、A。」

角名は心底楽しそうに笑った

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作者名:ほの | 作成日時:2024年3月2日 16時

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