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放課後、私はジャージに着替え体育館に向かった
体育館では既にバレー部の練習が始まっていた
体育館を覗いていた私に真っ先に気づいてくれたのは宮侑だった
「あ!!Aやっと来よったな!!」
宮侑は大きな声で私の名前を呼び、手を振った
その言葉を合図に北先輩が部員の皆さんに集合をかけた
「高坂さん、こっち来てや。」
私は北先輩のもとに駆け寄った
「今日から数日間体験としてマネをしてくれる2年生の高坂Aさんや。」
「高坂さん、なんか一言あるか?」
『えっと、高坂Aです。今年稲荷崎に転校してきて、中学校から高1まで、宮城の学校でバレー部のマネをしてきました。』
『わからないことも多いかと思いますが、精一杯頑張ります。えっと、うるさくしたりして、皆さんの練習を邪魔する気はありません!短い間ですが、よろしくお願いします!!』
私が頭を下げると、バレー部の皆さんが拍手をしてくれた
そこからバレー部員の自己紹介が始まった
北先輩は、改めてきちっとした自己紹介をしてくれた
得点源だと思われる先輩は尾白アランさんというらしい
大耳さん、赤木さんもとても優しそうな先輩方だ
(稲荷崎の3年生はとても安心感があるな…)
それから、1年生の理石くん、とてもかわいい
2年生は、小作、銀、宮治、宮侑と続いた
「改めてよろしゅうな!A!!」
『よろしくね宮侑!』
「おい、"宮侑"って呼び方なんやねん。侑って呼べや。」
「もしかして、俺のことも内心"宮治"って呼んでるんか??」
(な、なんでわかるの!?)
エスパー??
『いや、最初宮侑の印象最悪すぎて、フルネームが染み付いちゃった!!みたいな?』
『今は別になんだけどゴロいいなって思って。』
「なんか壁あるみたいで嫌やわ。名前で呼べや…」
なぜだろう、子供が拗ねているみたいで宮侑が可愛く見えてきた
『・・・よろしくね、侑、治…』
私が名前で呼ぶと双子(特に侑)が顔をパッとさせて嬉しそうな顔をした
(これからは絶対に名前で呼ぼう…)
そう決意していると、どこかで聞いたことがあるような声がした
「邪魔する気はありません!って笑」
「本当に面白いね高坂さん。」
そう言った彼は、前に廊下でぶつかってしまった人だった
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作者名:ほの | 作成日時:2024年3月2日 16時