狐につままれた (ページ14)

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「A！！マネやるやろ！？」

『やんないってば！！私のマネ人生は去年で終わったの！！』

「そんなこと言わんといて！？」

このくだりは何回目だろうか

北先輩に中庭に呼び出された日の午後からずっと誘われている

その日、教室での光景を見た幸と遥花は信じられない、といった
顔をしていた

そりゃあ雰囲気が最悪だった私と宮侑がこんな感じになっていらら驚くだろう

「なんでや！！俺の！いや、稲荷崎のバレー凄いて言うてたやろ！！」

『もちろんめっちゃ凄いと思ってるよ！？けどマネやるっていうのは別！』

私が何度そう言っても宮侑は引き下がらない

「マネなったらその凄いバレーを普段から見れるで！？Aにとっても悪い話ちゃうと思うえけどなあ。」

(そ、それはそうなんだけど…)

(別の学校のマネやってたのに他の学校でもマネやるのは少し罪悪感があるんだよね…)

(もし全国とかで対戦することになったら…)

そんなもしもの事を考えて、私は絶対にマネをしないと決意して稲荷崎に来たのだ

恐らくしょうもない理由だろうが…

「なら体験入部とかしてみたらどうや？」

その声の主は隣のクラスの宮治

「治！お前ええ事言うなあ！」

「決まりや！！ほな、北さんに話してくるわ！」

『え、ちょ…！！』

私が伸ばした手は宮侑には届かず、宮侑は走って教室からとび出していった

『まだやるとは一言も言ってないんだけど！？』

「まあ、用事があるとかではないんやろ？少しでもやってくれると嬉しいわ。」

「なあ、銀？」

「せやな、居てくれたら助かるわ。」

『まあ…体験くらいなら…？』

「お！よかったわ。これで侑のモチベもアップやな。」

「あいつ、褒められると伸びるタイプやし。」

「A、ありがとうな。」

そんなこんなで私は稲荷崎高校バレー部のマネを体験することになった

早速今日は部活があるらしい

(頑張ろ！！！)