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え、今私の前にいるこの男は誰?

「気に入ったわ!!」

「俺に睨まれてもあんまりビビってる感じしなかったもんなあ…」

「改めて、俺は宮侑や!よろしゅうな!」

(宮侑らしい…)

え、さっきまでのあの私を睨んでた男はどこへ?

「Aって呼んでもええか?」

え、本当に同一人物?

『え、怖…』

「な、なんやと!?俺と仲良くなれることを感謝しろや!!」

『・・・・・』

やっぱり宮侑は宮侑だな

「なんや侑、えらい気持ち悪いなあ。」

「なんやとクソ治!?」

『・・・・・』

(この人達と一緒にいると疲れる…)

「はあ、これで侑の心配はなくなったな。」

「主将の俺からも謝らせてもらうわ。侑の件はほんまにすまなかったな…」

北先輩はそう言って深々と頭を下げた

それを見て私は驚いた

『いやいや!なんで北先輩が謝るんですか!?』

『頭を上げてください!!』

私があたふたしていると、3人の声が聞こえた

「・・・とんでもないものが撮れてしもた…」

「これは拡散したらあかんな…」

「俺らだけの秘密にしよか…」

そんなこんなで話をしていると昼休みも中盤になった

『ごめん!先生に呼び出されてるから先戻るね!!』

「高坂さん、時間とってしまってすまんな。いつで部活来てな。」

「Aまたなー。」

「A!待っとるで!」

「職員室の場所わかるか?」

『銀、私をなんだと思ってるの?』

皆に挨拶をして私は職員室に向かった




(マネか…どうしよ…)

(申し訳ないけど断ろうかな…)

考え事をしながら歩いていたせいだろう、前から歩いてくる人に気づかず、ぶつかってしまった

「うわっ」

『あ、ご、ごめんなさい!!!』

『怪我とかしてないですか?ごめんなさい!考え事をしてて…』

ぶつかったのは背が高くて細めの目の男子

(めっちゃ申し訳ない…)

「全然大丈夫だよ。怪我も全く。」

「こっちこそごめんね、前見てなくてぶつかっちゃった。」

『いえいえ、私こそ…』

『・・・?』

(なんか見覚えがあるような…それになんか違和感がある気がする…)

『・・・・・あっ!!!』

『ひょ、標準語喋ってる!?!?』

私が叫ぶと彼は目を少し見開いた

「はは…面白いね君。」

彼はスポーツ推薦で愛知から来たらしい

彼の持っているノートには"角名倫太郎"と書いてある

(カクナ?スミナ?)

悩んでいる私を見て彼は楽しそうに笑った

「またね、高坂さん。」

そう言うと彼は去っていった

(なんで私の名前知って…?)

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作者名:ほの | 作成日時:2024年3月2日 16時

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