幻のプラネタリウム。 (ページ3)

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「お前らホントに付き合ってないん？」

「お似合いなんだから付き合っちゃえよ～」

みんなに冷やかされてたな。

付き合っちゃえよ、って。

「やめてよ～」とか言ってたけど、

内心嬉しかったのを覚えている。

私も柴田が好きで、心のどこかで

柴田の彼女になれたらいいなって、望んでいた。

柴田もきっと、

同じことを思ってくれていたと思う。

でも、今思い返せば、

2人とも恥ずかしかったのだろうな。

その頃は恋愛経験不足で、不器用で、

本当は好きなはずなのに「柴田なんか嫌い！」って

思ってもいないことを口にしてしまっていたっけ。

その瞬間、柴田の顔が歪んだ。

しまった...やってしまった、と思ったときには

いつもの柴田に戻っていた。

し「俺はAちゃんが大好きでちゅよ～」

子供みたいな言葉に子供みたいな顔。

そんな彼はいつも私にくっついてくる。

隣にいられるだけで緊張する。

丸聞こえしてるんじゃないかってくらい

ドクドク音をたてる私の心臓。

ヤジを飛ばして、

面白おかしく冷やかしにかかってくるクラスメイト達。

そして、なんだかんだ言って

いつも好意を伝えてくれる柴田。

このときの私は、

得もいわれぬ幸福感に包まれてとても幸せだった。