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#06 ページ7

高校2年の夏。


私たち城西高校野球部は念願の甲子園に出場することになった。
学校中が私たちを応援しに来てくれる。


その中に、もちろん親友のてつやもいるわけなので、いいところ見せるっきゃないでしょ!と、としみつと笑い合う。


しかし、としみつは前日の練習で肩を痛め、ドクターストップがかかっている。


と「A、頑張ってな。あんま緊張せんで」


「...うん。としみつ、誰よりも甲子園のために頑張ってたのに...」


と「俺のことは気にすんな。俺の分もちゃんと頑張れよ」


てつやに暴露したあの日から、としみつへの想いは留まることを知らず、前より余計意識してしまい、まともに顔すらも見ることができない。
目が合うととっさに逸らしてしまうし、無意識に避けている気もする。最終的には、としみつから「最近どした?元気あるか?」と心配される始末。


一緒に帰ったとき、としみつ言ってたな。
「俺、全然モテんのよ。好きなやつおるのに、そいつ全然俺のこと見てくれん...」って。
もしかして...私?って思ったのに、「あ、でもお前じゃねーから笑」って笑われたっけ。


悲しかったなぁ。多分、いや絶対そのときの私の顔は引きつっていただろう。家に帰って散々泣いて。次の日、腫れた目で学校に行ったら、てつやが慰めてくれて。彼の腕の中で泣いたっけ。


としみつのために入ったようなもんであるこの部活にも、やりがいが感じられなくなってきていた。でも、1年の頃から夢だった甲子園。今日だけは全て忘れよう。

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作者名:#Love | 作成日時:2020年7月3日 21時

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