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#21 ページ22

母がきれい好きでよかった。


昨日俺の部屋に勝手に入ってきて掃除してくれたおかげで、恥をかかずに済んだ。


自分が掃除したわけでもないのに得意げになって招き入れる。


て「どうぞ〜」


「お邪魔しまーす。...え、案外きれいなんだてつやの部屋って。これは見直した」


よしっ。好感度が10上がった。綺麗な男は女子にウケる。この調子でいけば、Aを手に入れられるのもそう遠くはない。


て「借りてきた映画あるから、それ見ん?」


「いいやん。見よ見よ」


最近人気で話題沸騰中のホラー映画。


Aにヒットするか分からないけど、一旦吊り橋効果ってやつを狙ってみる。


(ちなみに吊り橋効果というのは、不安とか恐怖とか感じるときに、一緒にいる男女に恋愛感情を抱くやすくなるという効果のこと。ちょっと難しいね)


「......ひ、いやぁー!!無理無理怖いって」


俺の想定通り。こういうときに俺が安心させてやると、Aは「てつやって、いい奴じゃん」と思う。そして恋に落ちてしまうというわけだ。


なんて俺は計算高いんだろう。


て「A、大丈夫。俺がついてるから」


「......う、ん」


グスグス泣いているところもまた、可愛いんだなぁ。


彼氏でもないのにこんなことをしてもいいのかという罪悪感さえ湧いてくる。


無事上映も終了した。さあ、効果は発揮できたのか。


「マジで怖かった〜。てつやが隣におらんかったら私気絶してたかもしれん」


少し涙目のA。これは成功したといっても過言ではないだろう。

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作者名:#Love | 作成日時:2020年7月3日 21時

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