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#17 ページ18

朝通学路からは、威勢のいい笑い声が聞こえてくる。


誰の声だ?と思い、視力の悪い俺は目を細めて前方を見てみる。


うーん、あれはどうも、としみつとAのようだ。


くそっ、朝から気分が悪い。


別に2人が嫌いとかそういうわけじゃないんだけど、あいつらの関係性。


俺は嫉妬している。


カッコ悪いことは重々承知してはいるんだけれど。


でも、好きなやつが男と楽しそうに話してたら、誰だっていい気分にはならないだろう。


あんな表情、俺には決して見せてはくれない。


そう思うと、とたんに悲しさ半分、悔しさ半分が頭の中を埋め尽くす。


そして今日、Aとはどんな顔を合わせればいいのか。


朝から難しいことばかり考えて疲れているけど、そんなことも気にならないくらい真剣に悩んでいると、いつの間にか校門をくぐっていた。


と「よっ!てつや。あれ、元気なくねえか?」


「あーてつや!おはよ〜 うーん、確かに元気ないいうには見える」


一番会いたくないんだけど。


そうとは知らず話しかけてくるこいつは、まるで夏の暑さにも負けないくらい輝くひまわりのようだ。


て「別になんでもありませーん」


おどけてみせると、「なんだよ〜。心配して損したわ」とか口々にツッコまれる。取り敢えず、いつも通りのAで安心した。


靴を履き、各々のクラスへと散らばる。といっても2人は向かう先は一緒か。


今日は、昨日の鬱憤を晴らすことを許してくれているかのような、憎いほどの晴天。


あいつらはお似合いだ。誰が見ても、お似合いだ。


くそっ。


やり場のない、何かも分からぬこの感情は、晴天の中へ消えていく。


俺が今できること、いや。やらなければいけないことは、好意という感情を表に出さず、完全に蓋をしてしまうこと他ない。


さあ、この無理難題を、俺は果たすことができるのだろうか。

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作者名:#Love | 作成日時:2020年7月3日 21時

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