#07 ページ7
「やぁどうも、東海オンエアのてつやと」
「としみつだ」
「こんにちは！Aで〜す」
彼らとの挨拶からもう気分が嘘みたいにあがった。
画面の向こう側の視聴者さんの目にはどのように映っているだろう。
私の気持ちばかりが先走っていかないように気をつけなくちゃ。
「今日は、今まで画面越しに競い合ってきたAちゃんを褒め称えようの会〜！」
「やったぁ！」
てつやさんたちに企画を任せていたけれど、まさかこんなにも嬉しいことだなんて。
「いいんですか？私褒められると調子に乗っちゃいますよ？」
「Aちゃんの調子に乗ったところは需要あるんで大丈夫っすよ！」
としみつさんのレディを一番に考えた気遣いに、少しだけ惚れてしまった。
隣に座るとしみつさんは、この動画が出演2回目なのにしっかりとカメラの先を見据えている。
さすがは今波に乗っているYouTuber。
「では早速褒め称えていきましょう」
まずはてつやさんから。
「Aちゃんの、女の子１人の力だけでここまで登り詰めてきた努力がまず素晴らしい！俺ら一応6人でやってるけど、さすがにここまでできんもん。本当に尊敬してる！だってAちゃんほぼ毎日投稿でしょ？買い出しに撮影に編集っていったら莫大な時間がかかるのに、本当に何もかも惜しまない努力家だなーって思う」
「そんなに褒めてくれるなんて思ってなかった、です......」
流暢にぺらぺらと話してくれるてつやさんに、思わず笑みをこぼしてしまう。
てつやさんはというと、鼻をふんふんさせて得意げ。
私の唯一の取り柄である努力を褒めてくれたのは嬉しかった。
「意外とAちゃんは照れ屋さんらしい。いけ、としみつ！もっと照れさせてやれ！」
「お、おう！」
「じゃあ、僕の番いきますね。えっと、A、さんはすごくなんか、女の子らしいっていうか......すごく、」
さっきの勢いよは裏腹に、としみつさんは緊張しているのか、
うまく言葉が出てこない。
てつやさんは、そんなとしみつさんを見て終始にやにやしている。
「あれ？どうしたとしみつ。そんなに緊張しんくても大丈夫だけど」
「......緊張とか、しとらんわ！まじで。ただ、なんていうか、Aさんが、めちゃくちゃ......」
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作者名：#Love | 作成日時：2021年4月1日 11時
