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#05 ページ5

年は明けた。

正月は実家に帰省することもなく自宅でのんびりと過ごした。

正月の定番、こたつに入ってミカンの皮を剥く。

テレビでは正月特番が放送され、芸人はわざとらしいオーバーなリアクションでスタジオを沸かせていた。

テレビにだってもちろん面白さはあると思う。

でも、こんな胡散臭いもので笑いをとるなんてたかが知れている。

だったらYouTubeの方が断然面白いや、と思う私は完全に沼にハマってしまったようだ。

YouTubeと出会って、私の世界は変わった。



夜は更けて、外の空気はぴんと張りつめている。

石油ストーブの前で暖をとっていたときだった。

ポケットが震える。

誰かからの電話のようだ。

両親からだろうか。正月くらいは実家に帰ってきなさいという。

両親からの説教は、もうこりごりだ。

画面に視線を落とす。

「......まじで!?」

危うく携帯を離すところだった。

東海オンエアの事務所からの電話だ。

一呼吸置き、震える手で通話ボタンを押す。


「......もしもし?」

「A様でしょうか?こんな夜分すいませんね〜」

電話の向こうの人は、東海オンエアにとってコラボはおいしいものだと言うかのように語尾を伸ばした。

相当気分が良さそうに窺える。

「いえいえ、とんでもないです」

「コラボの件なんですけれども〜、来週とかってどうですかね?」

「来週ですか......」

来週。実に急だ。友達と出掛けるとかショッピングの予定は特にない。

いや、もしあったとしてもそれらは全てキャンセルにしてコラボを優先させるだろう。

「来週、大丈夫です」

「あ、わかりました〜。じゃあ来週の日曜日でお願いしますね」

日程、場所、諸々決め込んで電話を切った。

胸がドキドキする。

私はついに、彼らと会うことができるんだ。

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作者名:#Love | 作成日時:2021年4月1日 11時

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