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#20 ページ20

「......はーい」

「てつやととしみつ。看病してやりにきた」

「......ありがとう。上がって」

やっぱり会いたい気持ちが勝ってしまった。

二人はどことなく不安そうな表情をしていた。

「体調は?良くなったん?」

「うん、まあ朝に比べたら良くなったかな」

って嘘をつく。

本当は体調なんて悪くない。

なんなら今すぐにでも走れそうな勢い。

自衛のために仲間にも嘘をつくなんて、私はもう芯から腐ってしまったようだ。

「Aにと思ってこれ買ってきた」

袋の中にはアクエリアスやゼリーなどがたくさん入っていた。

としみつから袋を受け取る。

一瞬、手が触れた。

彼と目が合う。

その大きな瞳に吸い込まれてしまいそうで、逸らしたらその瞬間負ける気がした。

ふ、っととしみつが視線を逸らす。

一気に、体中から力が抜けていくのがわかった。

としみつは何事もなかったかのようにてつやと話している。

やっぱり意識しているのは私だけなんだ。

......馬鹿馬鹿しいな、もう。

やめよっかな。



「お邪魔しましたー。早く治せよ」

「うん、ありがとう。また遊びに来てね」

てつやが帰り、ドアがガチャリと閉まる。

後ろを振り返ってみれば、何故かいる。

「.......なんでいんのよ」

冷たい態度で接してしまうのも、好きだから。

「いやー、てつやの車ん中飲み仲間で埋まってるんよね。俺、見捨てられたわ。今日だけ、泊めてくんね?」

急展開すぎる。

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作者名:#Love | 作成日時:2021年4月1日 11時

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