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周りがやりたいことを見つけて夢に向かって進んでいく中、私は一体何をしていただろうか。
夢という夢はこれといってなく、家から近いという理由だけで適当に高校を決めた。
そしてなんとなく高校3年間を過ごして、またしても家から近い大学に進学した。
親からは、そんなんでいいのかと渇を入れられることも多々あったけれど、
私の人生なんだから自分で決める、の一点張りだった。
良く言えばこだわって生きている、悪く言えばかなりの頑固娘だった。
専門的な資格はないためそういう類いの職には就けないけれど、
一応大学卒業という肩書きはあるため、就職先の幅はかなり広がった。
それについては結構都合がいい。
「Aは大学卒業したら何になるんだ？」
担任からのこの問いかけにどれだけ苦労したことか。
「......すみません。まだ考えていません」
「まだ考えてないって、もう1月だぞ！？あと2か月したら卒業するのにどうするんだよ......」
担任は毎回私のことで頭を悩ませていた。
私もこれに関しては申し訳ないと思っていたけれど、
私に魅力的だと思わせる職業がないのも問題だと思う。
どの職業に就くか考える、地獄のような日々。
そんな中、私は運命のような出会いをした。
「YouTuber」
この世にこんな楽しくてやりがいのある職業があったなんて。
何の夢もなかった私の前に一筋の光が差し込んできたように思えた。
しかし、YouTubeという言葉もまだ世に浸透していなかったこの時代。
しっかり勉強もして単位も落とさず取ったのに、
選んだ職業がこれだと言ったら担任は何て言うだろう。
親に反対させるだろうか。
馬鹿げているなんて言われたらどうしよう。
でもそんなことを考える余地もなく、私の頭の中は既にこのことでいっぱいだった。
「先生、私就きたい職業見つけました」
「おぉようやくか......。で、何だよ。言ってみろ」
「YouTuberです――」
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作者名：#Love | 作成日時：2021年4月1日 11時
