現実に監視されている以外は普通に零の兄貴です。「名探偵コナン」

八話 ページ9

訂正
六話:変えることにした→帰ることにした
七話:ミニスカスーツ→ミニスカ仕様のスーツをバッチリ着こなした

――

今、俺は唖然としている。

毛利探偵事務所の階段を登ろうとした直後に女性に耳打ちをされたのだ。

「私の彼氏を演じてくれ 」

と。え？ んんん？ なんだと？

「いや、えっと自分は道案内なので」

と、耳打ちをすれば女性はニヤリと笑い、笑ったかと思えばパァっと明るい笑顔で俺の腕に抱きついてきた。

俺だって立派な、青年だ。 いやそろそろおじさんと言われてもおかしくないが。

まぁ、まだお兄さんと言われるし？ やめよ、自分で言ってて悲しくなってきた。

まぁようは、あれだ。 綺麗な人に抱きつかれた俺は情けなくも顔を真っ赤にし鼻血を出しかけたって事だ。

「それにしてもなんで……」

「報酬は……そうね。 10万円って言った所かしら？ 私のことはエリと言ってね？」

お金……お金を貰えるのは嬉しいけど、しかし。 俺は俺が俺の思いで稼いだお金を零に貢ぎ……零の役に立てたいだけなんだ！

「お金は良いです。 そうだ。 画材で手を打ちましょう」

そう言えば女性はニコリと笑い快く承知してくれた。 安い男ねは余計な一言だと思うな、うん。

――
{うわぁーちょっと悲しいな。 新しい人推しにしようと思ったけど彼女いるのかぁ}
｛第三者として私は見守りましょうかのぉ｝
｛お二人さん、大事な事を忘れてね？ 安室さんが真顔で2人を睨んでるって事はやっぱり裏があるんだよ！}
{例えば、他国の組織関連とか？}
【………】

今日も今日でコメント欄は荒れてるけど、なーんか、変な雰囲気だなぁ。 弟の名前が出てきたけど、危険なことしてなければいいけど。

一人は自分の事だとも気づかず。

もう一人は兄のラブラブな様子に、意気消沈して頭がパニックになってネジが外れているだけであった。

(あれは、兄さんを困らせているだけなんじゃないのか？？ 兄さんは優しいからちょっとした誘惑でもなんやかんだ乗る節がある！ 俺はあんな、あんな、あんなのが義姉になるなんて認めないからな！？ 風見！ 風見は何をやってるんだ！ 早くあの女の素性を調べろと言ったはずなのに)

そして(早とちり気味な)弟の方はある意味、的をえてるのかもしれない……

九話→←七話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す