現実に監視されている以外は普通に零の兄貴です。「名探偵コナン」

二十九話 ページ30

「おにいさん、いまなんて？ そんなに似てるかな？ でも僕まだ小学生だよ？」

くっっっそ。 なんでそんな冷静に対応……いや冷や汗ダラダラじゃん？？？

「あっれ……あっそうか。 うーん、なんで間違えちゃったんだろうな」

そう言って頬をぽりぽり人差し指でかいていたら、後ろからおよそ二人分の視線が突き刺さってるのに気がついた。

「……あら？ 営業時間であってます？」

心地よい音を鳴らして、お客さんが一人入ってきた！ナイスゥゥ！！ まじでナイス！！ 弟は接客してコナンも一難去ったとほっとしている様子だ。

……1人を除いては。

｢今の症状を嘘偽りなく言いやがれ｣

マジギレしている主治医がな。 いや、なんでそんなきれるんだよぉぉ。 俺のガラスの心はバリバリだっっ。

ちゃっかり簡易メモ帳まで持ってるし。

｢なにって、酔った意外は特に何も……強いて言うならいつも通りの胸の痛みと気持ち悪さくらいだけど」
「だから痛みが出たらすぐ言え言ったよな？」

言った所でたった数時間、痛みを抑える薬しかないじゃないか。 なんなら気持ち悪さに至っては俺じゃない俺の記憶が散りばめられてるせいでもある。 おかげほんと軽くだが、弟がやばい任務掛け持ってるのも分かってきたし。

なんなら記憶を思い出した当時の方が覚えてたな。 簡単に言えば俺の記憶と、知らない俺の記憶が中和されてるんだと思ってる。

分からないけど。

「あらあらあらぁ！ 見たことあると思ったらあなたお向かいの、、えーと、その愉快な、ね」

ま、じ、か、よぉぉぉ。 よりによって向かいのおばさんかよォ！？！？ この前、この前の熱唱以来ぶりだよ！ 気まずいよ！ 病気とは違うバクバクと手の震えだよ。 マジで耳真っ赤だと思う。

「ストレス発散したいこともあったわよね、余計なこと言ってごめんね。 用事はすんだから私はこれで」

そう言ってルンルン気分で去っていたお向かいのおばさん。 俺からしたら嫌味しかないわ。

「はぁぁ……つかれふぁっ、あいしへんあ！ ふぉいっっ」

えええぇ！？ 何もしてないじゃん！？ なんで主治医俺の両頬をつねるの！？

「ま、元気ならいっか……」
「いや、どんな荒診療だよ」

おい、弟もなに笑いを堪えてんだ！ ほらそこのコナンも！だ！

「いででで……最近やけに俺の扱いひどくない？」
「手術受けない貴方が悪いんだ」

……こいつ、ぜっったいわざと今言ったな？？



«手術ってナニ»
«いや、ほんとそれな»

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