現実に監視されている以外は普通に零の兄貴です。「名探偵コナン」

二十一話 ページ22

「だからって何で」

なんで、なんで、なんで精密検査の為に五日も入院しないとならないんだっ。 しかもその内四日は療養目的だと？ 主治医が勝手にベット予約したし。

いや、そもそもやっと県外の病院からはるばる新幹線で帰ってきたところですが！？ なんならリニアの看板みてヨダレ垂らしてた変人ですが？？

秒で帰ってポアロのハムサンド(弟の約束を守るため)を食べに行こうとうきうきルンルンでスキップして駅の出口出たんだがな！？

そこで、すんごい口元をニヤリとして目を細めてにっこにこしてる(諸事情で先に帰っていた)主治医が居たんだわ？

なんでやねんっっっ！

「俺のポアロ……はむしゃんどぉぉぉ」

特にやる事もないからこうして、ベットにうつ伏せになりながら足をバタバタとしている事が多い。

検査終わって疲れてると思うから寝ろと言われたけど、特に眠気もないし。

絵を描く気持ちがなかった訳でもないが、あの列車の炎で八割出来ていたイラストが燃え尽きたと知って色々と傷心中だし……？

「たーーーーーもうっっっ」
「少し声が大きいです！ 心を落ち着かせて。 軽く診断するので服を捲れ下さい」
「わかったよぉぉぉ」

いや、そんな冷めた目で見なくても！？ いくら俺が某少女の真似をしたからってそんな目をしなくても！？

「うん、暴れすぎて脈早くなってる。 寝てください。 大丈夫、貴方は、貴方なら次も目を覚ましやがるから」

全部丁寧語なら、じーんと来るが相変わらずのノリに苦笑を浮かべた。 と、同時にいつもと変わらない姿を見て何処と無くほっとしたのも事実。

「ん……じゃあちょっと寝る」
「この流れで降谷さんが早く寝るとは、ありえないですが、まぁいいでしょう」

あまりの感の鋭さに背に冷や汗が伝ったが、そのまま狸寝入りをする事にした。

検査前にコナン君達も、怪我した被害者と一緒に来院していると聞いたことと、いま、この瞬間薄らと誰かの叫び声が聞こえたからだ。

こういう時は関わらないに限る。

――

〔なんでやっっっねん！ 叫んでたらまだ分かるけど、本人も呆れた顔のような諦めた顔のような猫口して言われても〕

〔可愛いかよっっっ〕

〔わざわざ連投しなくとも分かるわ。 なんならあの二人くっつきやがれ〕

〔いや、そんなんやめて？？ 安室さんとでしょ――〕


色々と慣れては来たが今日のSNS組は不穏な喧嘩しそうな空気なのでそっと目を閉じる事にした。

すぐに思考は暗転した。

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