現実に監視されている以外は普通に零の兄貴です。「名探偵コナン」

十五話 ページ16

――行かなくちゃ…。 そう思っているのにタイミングが最悪だった。 おばさんとの黒歴史から既に1週間が過ぎたわけだけども、ファンから俺個人宛にな？ミステリートレイン？の招待状兼指輪を貰ったのだが、体調も良くないから置いといたんだ？

そしたら、昨日ポアロで梓さんから明後日、うん。 明日、皆がミステリートレインに行くって言ってたから、指輪俺も持ってるからって一緒に行くことになったんだ？

少しぐらい無茶してでも楽しい思い出も作りたかったし。 だがしかし！！ 前日に高熱出すとか？？なんだし？？？ 遠足に興奮して熱出す小学生かってね。

それにそれに、彼奴らの情報見てたら予告とやらに弟が？？？零がいるみたいだし？

「なんだしなんだし！ 俺だって弟と遊びたいもんんん」

こーなったら無茶してでも行くもん！ 行かなきゃ指輪を送ってくれたベルちゃんって子に失礼だし！！

どうせ…。 よし！ 切り替えるぞ！

「っ！？」

切り替えるぞってなったばかりにこれはないでしょうが。 いま、心臓が痛むとか聞いてない。 さっき、軽く二時間前に発作を抑える薬を飲んだばかりじゃないか。

間隔が短くなってるな…。 いやいや、それこそネガティブになってもなにも変わらない。 ポジティブに、ポジティブに行くぞ！

「ポジティブに、だ」

いや、そこ。 床でへばって言われても説得力ないって顔をしてくれるな。 その通りだが。

「何が、ポジティブに、ですか！」

ふと前を見たらいつの間にか主治医が来ていた。 いや実はお恥ずかしい話、あの日、三日間倒れて以来、主治医の信頼を失ってですね？ 朝の決まった時間に家に来て診てもらってるんだ。

「今だって胸抑えてるし高熱あるし。 もう少しは自分の身体と相談してください。 因みに看護師からトレインについて聞きました」

なんだとゅっ！？ ここに来て、弟との仲を裂くラスボス登場か！？ そうなのか！？

「ほらほら、変な事考えないで。 とりあえず私が同伴しますから、それで行きましょう？」

そんな悲しい顔して言われてもちっとも嬉しくないっての。 まぁ今回ばかりは厚意に甘えるとするかな。

「なのでさっさと寝ろください」

あくまでも医者と患者の関係なんだが？？？なにこの立場逆展開？

――

｛はぁ、ほんまEDの謎イケメンかっこいいわぁ……ってなるかアホ。 いったい何をしたいねんアホ。 予告で？ トレインでラブラブしてた男だれやねん？｝
｛いや、おま落ち着け？？｝

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