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A「・・・私で、ええの?」
誠司「、、やないと、こんなもんあげへん。」
A「・・・私は、誠司を待ってて、ええの?」
私の不安な言葉に、彼の意志は全く揺るがなかった。
揺るぐわけがなかった。
誠司「、、Aがええ。」
私の左手を取り、その手の薬指にはめたのは、
私が何度も何度も眺めていた、粉雪のようなシンプルすぎるリング。
誠司は、知ってたんだ。
私がジュエリーの店に行く度に、
キラキラしてるやつよりも、
その奥にある、雪のようで控えめでシンプルなものに惹かれていたのを。
誠司「、、ややこしいけど、誕生日おめでとう。(にこ)」
彼の微笑みで、私のどこかがプツンと切れた。
それが涙腺だったのか、
あるいは、私の本当の幸せを縛っていた何かなのか、
私にはまだ分からない。
A「ありがとう、、誠司、っ、(ポロッ)」
誠司「、、(ギュッ)好きや、A。」
A「ふふっ、、、私も、だーいすきやで、っ、」
私には見えたよ。
針のように鋭いトゲがたくさんある道だけど、
その道を歩いてるのは2人で、
その道の先には雪が降ってて、
それでもちゃんと明るい日差しが差し込んでた。
これからの道のりは、
そのトゲを上手くすり抜けなければいけないことも分かった。
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Tu9mu7(プロフ) - ありがとうございます!いつも励みになります。 (2020年2月12日 16時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 最初から最後まで読まさせていただきました。とても面白かったです! (2020年2月11日 23時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tsumu | 作成日時:2019年10月20日 8時