いつか、恋を奏でられたなら

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どこにいるかな





聞こえてるかな





私だって分かるかな









余計な心情ばかりが浮かんでは消え



音はそれなりに不安定になってると思う。









それでも、弾く手を止める事はない。









　





最後まで私を忘れないでほしい





そんなわがままを先輩にぶつけるように



音をツラツラと奏で続ける。









　









　









『西川遥輝。これが俺の名前な。』









　





不思議な彼の名前を知った





あの日も









　





『まさか居るとは思わへんかったわ、(笑)』



『俺が委員会を楽しみにさせたる。』









　





接点が増えて





“流れ星”という第一印象が定まった





あの日も









　





『、、、両思いやな、Aとピアノは。』



『やっぱりAって、恋したことないやろ？』









　





“胸のざわめき”と“恋”を覚えた





あの日も









　





『よっしゃ！ちゃっちゃと終わらすぞ、A！』



『、、、あーーもぉっ！』



『ほんまにすんませんっ！(バッ)』



『遅なったのは、全部俺のせいです。』









　





可愛くて、男らしくて、頼もしくて





それが嬉しかった





あの日も









　





『、、、フッ、そんなん当たり前やろ。』



『Aの応援のおかげやで。』









　






心臓が鳴り止みそうにないくらい




かっこよかったけど









　





“ちょ、、動かんといてって言うてるやん。”



『痛いって！わざと痛くやってるやろ！』



“遥輝が動くから痛くなってんねん。せやからじっとしてて！”









　





今までに感じた事のない、大きな痛みを知った





あの日も









　





『Aの作る音、俺はスゲー好きやで。』









　





そう言った彼に





思わず“好き”という言葉が出てきてしまった





あの日も









　





『そうやったら俺は、Aに弾かれて嬉しいで。』









　





柔らかく励ましてくれた





あの日も









　









きっと今日だって









　









「ガラガラガラ、」



遥輝「、、、見つけた。(にこ)」









　









“どうしても忘れられない1日”なのだと知って





嬉しくて、悲しくて、寂しくなった。









　









　









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