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A「、、、え、伴奏?」









夏休みが直前に迫った今日





私に珍しく緊急事態が発生した。









 









久々に訪れた職員室で担任から告げられたのは



“伴奏”という予想外のワード。









内申書を見返してたら見つけたんだよ



と分かりにくすぎる経緯を説明されるけど





あらかた言いたい事は理解できてしまった。









A「他にやってくれる人が居らへん、って事ですか、」

担任「おぉ、物分かりええな。」

A「物分かり、、」









思わず反復してしまった言葉。









私ってそんな風に見えてるんだな、って。









見下されてるような、ナメられてるような



まあ、気分は良くないけど悪くもない。









 





きっと、先輩がここにいたら







“こいつん事ナメへん方がええっすよ?”







なんて、ちょっと上から目線気味に言ってくるんだろうな。









 





単なる妄想をしただけなのに





私が先輩を常に求めてるみたいで、恥ずかしくなった。









 









A「、、、楽譜、ください。」

担任「いやぁ、ほんまに助かるわ。(ポンっ)ほなよろしく。」

A「、、、」









放り投げるように私の手に置かれた楽譜。









いつの間にか担任は私の前から居なくなってて





手に残された、縛られた音符たちを見ながら





1秒にも満たないため息をついた。









 









 









 









「、、、ガラガラガラ、」









唐突に聞こえてきたドアの音。





でも私はもう、驚きも動揺もしない。









どうせ、あの人だし。









A「、、、」

遥輝「なんや、今日は珍しいな。」









ほらね。









珍しい、ってのは多分



私が楽譜と戦っている事を指しているのだろう。









真横から覗き込んできた先輩に



思わず仰け反りたくなる衝動をどうにか抑えた。









A「、、、苦手なんです、私。」

遥輝「え?」

A「こういう、楽譜通りに弾くの。」









 





そう告げると



隣にある顔が、怪訝そうに歪んだ。









 









 











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Tu9mu7(プロフ) - シノさん» すごく嬉しいです。ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年9月23日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 初めまして!話の展開が素敵すぎて読む手が止まりませんでした!これからも更新楽しみにしています! (2020年9月22日 21時) (レス) id: 3e7adef831 (このIDを非表示/違反報告)
Tu9mu7(プロフ) - みなさん» 楽しみにしてくださってありがとうございます。これからも頑張ります! (2020年8月30日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いつも楽しく読んでいます!更新楽しみにしてます! (2020年8月30日 18時) (レス) id: 5575efce91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tsumu | 作成日時:2020年5月5日 23時

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