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春。
私が先輩と出会ってから、早1年。
A「、、、リクエスト、なんかあります？」
遥輝「んー、、、あ。」
A「ん？」
遥輝「花びら飛んできた。」
A「、、、もう散ってるんや、」
窓際に佇む先輩が
細長い指で可愛くつまむ桜の花びらに
私はなぜか、心をキュッと痛ませながら鍵盤に手を置いた。
何のリクエストもないまま弾き始めたのは
誰もが知る「さくら」の、私の即興オリジナル版。
ここ最近
先輩が、私がたまに弾く即興曲がお好みだという事が判明。
詳しい理由は分かんないけど
“オリジナリティ”みたいなのが好きなんだとか。
(あと1年なんだね。)
曲の中盤
不意に聞こえたその言葉に、私はハテナを浮かべる。
けどそれは本当に一瞬だけで
理解してしまった私の口から
思わず先輩の名前が出そうになったのを堪える事でいっぱいいっぱいだった。
(無視しないでよ！)
(せっかく同情してあげてるのに。)
そんな事言われても
正直、かなりのおせっかい。
“同情”なんて言葉
今の私には必要ない、と思いたいんだから。
(時間が過ぎるのって、思ってるよりあっという間なんだからね？)
何もかも、私の中の全てを知ったような口調で
私の心を嫌な感じに揺さぶってくる。
でも
時が過ぎるのはあっという間だって事は
誰が何と言おうと、どこも間違ってない。
だから
私がする事はただ1つ。
A「、、、私は、このままでいい、」
先輩に聞こえないように
音のみんなだけに聞こえるように
極端に小さく呟いた。
いいんだ
このままで。
たとえ、この先に後悔が残るかもしれなくても
今はただ
遥輝「、、、んふふ、、めっちゃええ、この曲。」
彼が私に向ける、どこか幸せそうな瞳の中に
少しでも長く、映っていたいだけだから。
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Tu9mu7(プロフ) - シノさん» すごく嬉しいです。ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 初めまして！話の展開が素敵すぎて読む手が止まりませんでした!これからも更新楽しみにしています！ (2020年9月22日 21時) (レス) id: 3e7adef831 (このIDを非表示/違反報告)
Tu9mu7(プロフ) - みなさん» 楽しみにしてくださってありがとうございます。これからも頑張ります！ (2020年8月30日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いつも楽しく読んでいます！更新楽しみにしてます！ (2020年8月30日 18時) (レス) id: 5575efce91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Tsumu | 作成日時：2020年5月5日 23時
