27 ~遥輝side~ ページ28
・
・
・
『、、、ガラガラガラ、』
遥輝『、、あ、やっぱ居った。』
『、、、だ、誰?』
突然現れた俺に
その日は、鋭く冷たい視線を向けた彼女。
けど
その次に会った時には
『名前、、A、って言います、』
遥輝『ほな、Aやな。』
『、、、へ?』
遥輝『プッ、、間抜けな声出てんで(笑)。』
『わ、笑わんといて、くださいよ、』
遥輝『フッ、、すまんすまん。』
『、、、思ってへんやん、』
遥輝『思ってるって!』
視線は少し和らぎ
照れたり拗ねたり、感情を忙しく働かせていた。
一言で言うなら
俺の生活に、今までは無かった豊かな音が付いた感じ。
それがいつしか
俺にとって、なくてはならない物になっていた。
A「__♩♬」
現実に意識が戻ってくる。
Aに奏でられた音たちが
あの日と同じように俺の心を優しくくすぐった。
気づくと
目の前に置いてあった、白かったはずの看板の
約80%の色塗りが終わっていた。
俺って無意識でも色塗れるんだ、なんて妙な感心をすると共に
Aのピアノのおかげやな
と、なぜか俺がちょっと嬉しくなった。
遥輝「Aー。」
A「(ピク)、、、何ですか?」
遥輝「見てこれ。」
A「、、おぉー。」
遥輝「ん?何か反応悪ない?」
A「いや、」
やっぱり反応が悪い彼女を問い詰めると
吐かれた言葉に、俺は何らかの既得感を覚えた。
A「なんか、先輩の仕事が早すぎて、、、若干引いとる。」
遥輝「、、、いやいやいや、俺頑張ったんやから労って。」
A「ふふ、、ですね。ありがとうございます。(にこっ)」
ありがとう、ってこんなに身体に染みるものだっけ。
そう思ってしまう程に
ありがとうのせいで、身体の端から端まで震え上がった。
彼女は弾き終わると
いつもよりも、柔らかく穏やかになる。
俺は案外
こっちのAの方が好きだったりするんだ。
・
・
・
153人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Tu9mu7(プロフ) - シノさん» すごく嬉しいです。ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年9月23日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 初めまして!話の展開が素敵すぎて読む手が止まりませんでした!これからも更新楽しみにしています! (2020年9月22日 21時) (レス) id: 3e7adef831 (このIDを非表示/違反報告)
Tu9mu7(プロフ) - みなさん» 楽しみにしてくださってありがとうございます。これからも頑張ります! (2020年8月30日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いつも楽しく読んでいます!更新楽しみにしてます! (2020年8月30日 18時) (レス) id: 5575efce91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Tsumu | 作成日時:2020年5月5日 23時