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26  ~遥輝side~ ページ27













なんて、優雅な朝なんだろう。









Aが奏でる音を聴きながら



不意にそう思った。









 





決して



ピアノの音色だけが優雅だとは思ってない。









きっと、それを奏でているのがAだという事が





俺の中では最重要事項なんだと思う。









 









A「、、、ふふ、」

遥輝「っ、、」









自分が、ピアノを弾きながら幸せそうに微笑んでいる事も





それを目にした俺が、彼女から目が離せなくなっている事も









絶対、彼女は気づいてない。









 









再び手を意識的に動かし始めると同時に





俺はなんとなく、Aを初めて知った時の事を思い出した。









 









 









 









 









 





部活中



ボーッと突っ立っていた時に耳に入った、謎の音。









それは確かにピアノの音で





それは確かに校舎のどこかから聞こえてきたものだった。









 





遥輝「なぁ、今ピアノの音聞こえへんかった?」

「え?ピアノの音?」

「いや、全く。空耳とちゃうん?」

遥輝「い、いやいや、絶対さっき聞こえたって。」









周りに居たやつらに聞いても



誰も俺の話を肯定する人は居なかった。









それでも俺は



自分が聞いたあの音を、決して空耳にするなんて事はしなかった。









 





心のどこかに



あの、心を奥底からくすぐるような音色が





いつの間にか棲みついていた。









 









 









この謎が解けたのは



聞こえてきた日から、わずか3日後。









補習終わりにトボトボと廊下を歩いてた時だった。









 





「___♪♬♪♬」









ドキッ



なんて、俺らしくない音をたてながら





聞こえてくる音を辿っていくと









人気のない廊下を通り過ぎて着いたのは





初めて見た、空き教室らしき部屋。









俺が1年半この学校に居たのに知らなかった部屋。









 









そのドアの先に広がる何かに





俺は、久々に胸をときめかせていた。









 









 











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Tu9mu7(プロフ) - シノさん» すごく嬉しいです。ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年9月23日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 初めまして!話の展開が素敵すぎて読む手が止まりませんでした!これからも更新楽しみにしています! (2020年9月22日 21時) (レス) id: 3e7adef831 (このIDを非表示/違反報告)
Tu9mu7(プロフ) - みなさん» 楽しみにしてくださってありがとうございます。これからも頑張ります! (2020年8月30日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いつも楽しく読んでいます!更新楽しみにしてます! (2020年8月30日 18時) (レス) id: 5575efce91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tsumu | 作成日時:2020年5月5日 23時

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