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私は、一体何がしたかったんだろう。









 









『、、、私、好きな人いますから。』









 









あんな事を堂々と言ったくせに









先輩の顔にどうしても焦点を合わせる事ができなくて









ここまで送ってくれて“ありがとう”も





変な事言って“ごめんなさい”も





何言ってるんやろっていう“苦笑い”も









全て学校に置いてきてしまったかのように、私には為す術が無かった。









 









A「、、、意味分からへん、」









ベッドの上で吐き出した言葉は



部屋に響いて残ることなく、枕にそのまま吸い込まれて消えていった。









なんか、自分が気持ち悪い。









変にむしゃくしゃするのに



いつもみたいに叫びたくならない。









今までだったら



手元にある枕に散々文句をくらわせてきたのに、









今欲しいのは枕なんかじゃなくて









 









A「、、やり直したい、」









いかにも少女マンガに登場しそうな









“時間を戻す魔法”が欲しい。









決して、嘘をついた理由を知るためじゃない。









このうずくまりたくなる感情を手放すため





ただそれだけ。









 









 









 









目を覚ますと魔法少女になっていた





なんて可愛いらしい理想が現実世界で起きている訳はなく、









鏡に映ったボッサボサの寝癖を眺めながら





今日も来てくれるのかな、って不意に心のどこかで思った。









 









 









珍しく朝のホームルーム前に現れた私に





誰も驚きの声を上げなかった。









ましてや、昨日の事を掘り返される羽目に。









(何があったの。)



A「、、、別に、」



(私たちにはお見通しなんだから。)

(そうそう。だからさっさと吐きなさいよ。)



A「上から目線、、」









言葉では盾を突きながらも





朝だから、と気にしながら指が控えめに動き出した。









 











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Tu9mu7(プロフ) - シノさん» すごく嬉しいです。ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年9月23日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 初めまして!話の展開が素敵すぎて読む手が止まりませんでした!これからも更新楽しみにしています! (2020年9月22日 21時) (レス) id: 3e7adef831 (このIDを非表示/違反報告)
Tu9mu7(プロフ) - みなさん» 楽しみにしてくださってありがとうございます。これからも頑張ります! (2020年8月30日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いつも楽しく読んでいます!更新楽しみにしてます! (2020年8月30日 18時) (レス) id: 5575efce91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tsumu | 作成日時:2020年5月5日 23時

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