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A「、、、ふぅ、」
遥輝「(パチパチパチ)やっぱすげー。Aのピアノ。」
A「、、珍しい、」
遥輝「え?」
A「先輩が最後まで居るの。」
かれこれ長いこと弾き続けていたピアノ。
いつもだったら絶対に途中退席するのに
今日はなぜか椅子に座りっぱなしの先輩に、私は思ったことをぶつけてみる。
遥輝「今日はたまたま部活が休みやったからな。」
A「、、、野球部って、休みあるんですね、」
遥輝「おう。って俺、野球部やって教えたっけ?」
A「え、、か、風の噂で、」
違う。
風の噂なんか私に流れてくるはずがない。
本当は、里菜先輩に教えられた。
里菜『あ、やっほーAちゃん!』
A『里菜先輩、』
里菜『そういえば、Aちゃんって何部入っとるん?』
A『わ、私は、、、あ、先輩は?』
里菜『ソフトボール。あ、ちなみに遥輝は野球やってるんやで。』
あ、でももうAちゃんは知っとったか
そう言い、笑みをしっかり記憶に植え付けてから立ち去った。
どんな心境でそう言い残したのかは知らないけど
頭に浮かぶのは、得体の知れない悔しさ。
その感情のせいなのか、私は簡単に嘘ついた。
里菜先輩の名前を出すことに、自らが怖じ気づいてしまったから。
そんな私の中でのゴタゴタを知らない先輩は、
そうなんだ、とただ受け流すだけだけど。
A「、、電気、消すよ。」
遥輝「んー。」
「パチッ、」
電気が消された部屋は結構暗くて、
今頃になってこんな遅い時間になってた事に気が付く。
言い訳をするならば、
西川先輩が見ている中でずっと、ピアノに身を委ねていたかったから。
遥輝「もうこんな時間やったんか。」
A「うん、、」
遥輝「、、、あー、もうしゃーないな!」
A「え?」
遥輝「しゃーないから、今日は俺が送ったる。」
A「、、、え?」
ふざけてるのか、はたまた真剣なのか、
暗闇に邪魔される瞳では、先輩の顔色を伺う事はできなかった。
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Tu9mu7(プロフ) - シノさん» すごく嬉しいです。ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年9月23日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 初めまして!話の展開が素敵すぎて読む手が止まりませんでした!これからも更新楽しみにしています! (2020年9月22日 21時) (レス) id: 3e7adef831 (このIDを非表示/違反報告)
Tu9mu7(プロフ) - みなさん» 楽しみにしてくださってありがとうございます。これからも頑張ります! (2020年8月30日 19時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いつも楽しく読んでいます!更新楽しみにしてます! (2020年8月30日 18時) (レス) id: 5575efce91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tsumu | 作成日時:2020年5月5日 23時