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勇人「、、、ほれ。手、出してみぃ。」
A「、、(スッ)」
勇人「これは、絆創膏でええんかな、、、ちょっと探してくるわ。」
車に乗せられる時に言われた公約通り、
勇人さんは私の手の手当てをしてくれた。
これしかなかった、と苦笑いする勇人さん。
その手には、アニメのキャラクターが描かれた絆創膏が。
勇人「こんなん、いつ買ったんやろ(笑)。」
A「、、、ふふっ、」
“坂本勇人“らしくないくて、つい声が出る。
そんな私を、勇人さんは目を丸くしながら見ていた。
勇人「、、、ぁ、、こ、これでもええ?」
A「、、はい、」
勇人「、、(ぺたっ)よし。できた。」
A「、、、かわいい、(笑)」
勇人「っ、、、」
私の手に触れる勇人さんの手と
絆創膏ごときに真剣になる勇人さんの顔が
なんだか妙にくすぐったかった。
可愛い絆創膏が貼られた手を眺めていると、
勇人さんが私の隣に腰を下ろした。
勇人「・・・何があったか、聞いてもええ?」
A「・・・」
私の心は、不安だらけ。
こんなの、誰かに話したことなんてない。
話の内容が重すぎる。
きっと、面倒だって思われる。
絶対、また声が出せなくなる。
勇人「・・・Aちゃん。」
A「・・・」
勇人「抱えとるものがどれだけデカくても、どれだけ重くても、俺は持てる。」
A「、、、ぇ、」
勇人「それを一緒に持ちたい。声が聞こえるように、近くに居りたい。」
私の中にあった不安が、
プチっ、と弾けるように消えていった。
勇人さんの言葉の深い意味なんて分からなくても、
私は嬉しかった。
声を出す、ほんの少しの勇気が湧いた。
A「、、、私も、勇人さんに聞いてほしい、」
勇人「・・・」
A「、、声が、出なくなるかもしれない、ですけど、「大丈夫。」」
勇人「(ぎゅっ)Aちゃんの声は、ちゃんと聞いたるから。」
優しく、けど力強く握られた手を
ゆっくり握り返した。
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にゃあ - 続編に行ってまいります。これからもがんばってください! (2020年2月23日 19時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - Tu9mu7さん» いつも更新ありがとうございます!これからも楽しみにしています。 (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
Tu9mu7(プロフ) - にゃあさん» いつもありがとうございます!がんばります! (2020年2月10日 22時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 面白いです。更新楽しみにしています! (2020年2月9日 22時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
Tu9mu7(プロフ) - 梨香さん» ありがとうございます。亀更新で申し訳ないです。。。出来る限り更新頑張ります! (2020年1月15日 23時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tsumu | 作成日時:2019年12月2日 23時