私の“声”が届くまで

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勇人「・・・ごめん。長くなってしもうて。」

A「、勇人さん、、私、もう大丈夫です。」

勇人「えっ、、でも、さっき「いいんです。」、、」



人の言葉を遮るなんて、いつぶりだろう。




そう考えてしまうほど、

久しぶりな気がしてならなかった。



A「行ってください、、呼ばれたんでしょ？」

勇人「、、ほんまは今日、ドームに連れてってやりたかったんや。」



正直、びっくりした。





日曜日に試合があることは知ってたけど、


まさかそこに連れて行くことを考えてたなんて、





想定外だった。



A「え、私を、？」

勇人「行ったことないって言っとったから。」

A「、、どうして、私なんかを、」

勇人「、、、最近、自分の気持ちがよく分からへんねん。」



分からない、と口で言いながらも、



勇人さんの視線は全くブレてなかった。



勇人「、、でも、どうしても、Aちゃんに見せたいと思った。」

A「・・・」



曖昧な言葉。







でも、微かに温かみを感じた。







あの人とは違う、微かな温もりを。









すると、勇人さんは立ち上がりながら言う。



勇人「・・・風邪、治ったら絶対連れてったる。」

A「、、じゃあ、約束ですよ。」

勇人「やから、治しとけや。」



じゃあ。


そう片手を上げて微笑みながら、彼は部屋を出て行った。






　




　









私は２つ、心に決めた。









　







ちゃんと風邪を治すこと。









　









　



自分の声を、忘れないこと。









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