過去も、未来も、きっと。 (ページ25)

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卓也「・・・Aのも、聞いてよか？見えるようになった、理由。」

A「・・・うん、、」

なんて言って始めたらいいか、分からなかった。

でも、助けを求められる人なんか、いなかった。

今も、あの時も。

あの時から、ずーっと。

A「・・・私には、腹違いの兄がいたの。ずっと前に。」

卓也「腹違い、、ってことは、」

A「親は、再婚同士。兄は父の連れ子、私は母の連れ子だった。」

初めて会ったのは、私が3歳の時だった。

『Aちゃん、だっけ？はじめまして。今日から、君のお兄ちゃんだよ。』

A『・・・お兄、ちゃん、？』

『うん。Aちゃんの、お兄ちゃん。(にこ)』

母が言うには、私の本当の父は少し暴力的で、それが別れることを決めた理由だったらしい。

私には、不思議とその記憶が残ってなかった。

ただ、心に深い何かがあるような、気がするだけ。

A「・・・でも、今の父と再婚して、母は変わった。」

優しかった母は、徐々にやつれていった。

それが再婚した父のせいであることを、その時は分からなかった。

私の頼りは、もう兄しかいなかった。

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