雪が降ると＊1＊ (ページ47)

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深まった夜を終えて、朝がくる。

A「、、あ、これや。(ガサガサっ)」

未だにぐっすりの誠司をほったらかしにして、

私は“あるもの”を探していた。

A「・・・アルバムに居るんかな、、」

めくるのは、私が小さい頃の写真でいっぱいのアルバム。

押し入れの奥の奥の奥でほこりをかぶっていたものを、朝っぱらから必死に救出したのだ。

寝る前も、寝てからも、起きてからも、

ずっと、慎吾くん、というモヤモヤが消えないまま。

だから、慎吾くんに繋がる何かがあるのかないのか、自分の目で確かめることにした。

しかし、1冊目のアルバムは収穫なし。

堺や誠司すらも出てこなかった。

2冊目に手をつける。

さっそく誠司と遊んでいる写真が出てきた。

近くの公園の砂場で遊んで泥だらけの２人。

すべり台を後ろ向きで滑ってる私を見て笑う誠司。

転んで泣き出した私を慰める誠司。

私も、誠司も、色んな表情をしていた。

小さい頃の私たちを見てると、なんだか微笑ましい。

この頃はまだ、かなり小さかった誠司も、今では立派なプロ野球選手なんだもん。

誠司はそんなこと、1ミリも考えてなさそうな顔して遊んでるし(笑)。

私は私で、まだ人見知りがあるのか笑顔が少ないし、、、(笑)。

また、ページをめくる。

今までの写真とは、明らかに違うような気がした。

それはきっと、私がよく笑っているから。

そのページにある、大きな木のある公園で遊んでいる写真を境に、

私は、よく笑うようになっていた。

そういえば、私ってどうやって人見知りを克服したんだっけ。

そんなこと思いながら、さっきのページと今のページを行ったりきたりしてみる。

笑顔が増えた理由に迫る核心的な部分の写真のみが、なぜか抜けていた。

写真が撮れなかった理由でもあったのだろうか。

もしかして、ここに慎吾くんが、、、？

いろいろ考えてはみたものの、

いくら考えても、何かを思い出すことも見つけることもなかった。

「・・・ガチャ、」

誠司「、、はよ、」

A「あ、おはよ。(パッ)」

反射的に、アルバムを隠した。

誠司「・・・昨日のこと、何も覚えとらん、」

A「めっちゃ飲んだからやん(笑)。顔でも洗ってくれば？」

誠司「おう、、」

1回、全部忘れてみよう。

誠司と居るときに考えられるほど、私は器用じゃないから。

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