雪が降ると＊1＊ (ページ23)

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家のポストに、暑中見舞いが入ってた。

差出人は、「小林誠司」。

久しぶりに見たけど、変わらず上手くもない字に、少し安心した。

『A様

暑中お見舞い申し上げます。

辛気くさいのは嫌やろうから、普通に書きます。

久しぶり。元気しとる？

俺は元気100％やから、大丈夫。

俺は作れとるけど、Aは友達作れたん？

そこだけ心配やわ(笑)。

でも、大丈夫って言うたんやから、大丈夫やろうな。

今年の盆なんやけど、帰らへんことにした。

甘えるには、まだ早いと思ったんや。

じゃ、頑張れよ。俺も頑張る。

小林誠司』

わざわざ送ってくれたことは、すごく嬉しかった。

けど、お盆休みは帰ってこないって知って、ちょっとがっかりした。

しょうがないことだって分かってるつもり。

思った以上に肩が下がった自分に、正直驚いた。

何となく、テレビのリモコンを手に取った。

電源を付ければ、映るのはアナウンサー。

アナ「それでは、今日のニュースです。まずはスポーツから。」

アナ「はい。プロ野球では、読売ジャイアンツが意地を見せつけました。・・・」

いつか、“小林誠司”って名前がニュースでよく聞く名前になるのかな。

そうなったら、どうなるんだろう。

アナ『“小林誠司”選手が、土壇場に同点に追いつく意地の一打を放ちました！』

アナ『途中出場の“小林”選手ではありましたが、好打に好リードにすばらしいですね。』

アナ『本人にとっても、チームにとっても、流れを変える一打になりました。』

無意識ににやけちゃうんだろうな。

無意識に録画ボタンとか押しちゃうんだろうな。

そんな未来のことよりも、

次はいつ手紙が届くのか、気になって仕方がなかった。

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