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廉「、、、そこまで俺を知らんかったとは、」
A「な、永瀬さんこそ、、そんなにすごい人だったなんて、」
さっきよりも
若干、身を引きながら喋る私に気づいたのか
永瀬さんの顔色が徐々に変わっていく。
廉「あかんで！」
A「え？」
廉「それ以上謙遜したら、きっついお仕置きやからな？」
A「、、、それは嫌だ。」
廉「んふふ、、なら、ちゃんと“友達”として接してや。」
A「え、“友達感”出してませんでした？」
廉「どこがやねん、(笑)」
ツッコミながら笑ってくれた事に
心の中で、ひとまず密かに安堵する。
永瀬さんはきっと
私を信頼して教えてくれた。
自分が人から注目を浴びる職種な事も。
その友達は簡単じゃないかもしれない事も。
以前、友達だと思ってた人に裏切られたことがある事も。
『地位やら金やら、結局そういうもんしか見られてへんかったんやなって。』
そう話した永瀬さんは
私の知らない顔をしてたけど
友達になるのが怖くなることは、一切なかった。
だから
私は、1人で勝手に決めた。
A「、、、永瀬さ「ストップ！」、、」
廉「友達やねんから、“永瀬さん”呼びはあかんやろ。」
A「え、何でですか？」
廉「、、それ、分かってて聞いてるやろ？」
A「そ、そんな事ないですけどねぇ、」
廉「んふ、、わざとらし、(笑)」
私の恋心には
簡単な鍵を付けておくことを。
きっとこれは
何度も何度も解けてしまう事は、もう目に見えてるけど
それでもいい。
その鍵が壊れなければいい。
そう、願った。
そして
時々感じる
“私自身に対する違和感”が一体何なのか
全く見当がついていないまま
恋に落ちて
その相手と友達になった事を
後悔することになるなんて
私はまだ知らない。
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作者名：Tsumu | 作成日時：2020年9月23日 20時
