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雨は
いつもより人を優しく見せたり、逆に人を戸惑わせたりする。
それを鬱陶しく感じる人もいれば
それを心うれしくと感じる人もいる。
でも
どれだけ雨に長所があったとしても
私は雨が嫌いだ。
A「、、ありがとうございます、」
廉「え？」
A「さっき、、、見つけてくれて、嬉しかったです。」
やっぱり雨には
魔法がかけられているから。
私はその魔法に
かかりやすい方なのだろうか。
A「、、永瀬さん、私＿＿＿＿＿」
そこまで言い終えると、なぜか急停止した思考回路。
浮かんでいたはずの言葉が一瞬のうちに姿を消し
その代わりに沈黙が前へとしゃしゃり出てくる。
そんな私を見て
隣に座る永瀬さんは、一体何を勘違いしたのか
廉「、、(ピトッ)」
A「っ！、、、永瀬さ、」
廉「、、熱くはないな。」
A「永瀬さん、」
廉「ん？やっぱ顔赤＿＿＿」
A「ち、近いってば、、」
無意識のままに、私の額に左手を添えた。
その分、私たちの距離は詰まる訳で
それでなくても既に高ぶっている心音は
もう彼に聞こえているかもしれない。
未だに窓の外で降り続く雨は
心の中を浄化させるかのように
人を素直にするようだ。
廉「、、ごめん、」
A「(キュッ)、、待って、」
廉「ぇ、」
A「すみません、、、もう少し、このまま、」
「、、永瀬さん、あったかいから、」
優香「、、んん゛っ！」
突如耳に飛び込んできた咳払いに
その距離が0になる3秒前だった身体を
2人して慌てるように離した。
それはもう、光すらも超える速さで。
恥ずかしさよりも
自分自身が起こした行動への驚きの方が勝り
控えめに湯気が立つお茶を手にした優香と
目を合わせる事すらできなかった。
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作者名：Tsumu | 作成日時：2020年9月23日 20時
