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廉「、、お昼ぶりやな。」
A「、、、」
廉「、、、それは、来てくれて嬉しいって顔？」
A「へっ？、、、べ、別に、そうじゃないですけど、」
廉「んふ、、Aちゃんってツンデレやんな(笑)。」
A「、、、認めたくないですけど、たまに言われます、」
縮こまって言った私に
それはまた面白そうに笑う永瀬さん。
それを見て
なぜか握りっぱなしだった濡れたゴム手袋を片手に
ここだけ時が止まっちゃえばいいのに
なんて
私らしくない冗談混じりの願望を心に抱いてしまった。
「ピピピッ、ピピピッ、」
廉「(ビクッ)、、え、タイマー？」
A「あっ、そうだった。」
今度鳴り響いたのは、厨房のタイマーの音。
その音で
私が今何をしていたのか、記憶を取り戻した。
A「ナイスタイミングですね。」
廉「え？」
A「ちょっと待っててもらって良いですか？」
何も分かってない永瀬さんをイスに座らせると
1人でワクワクしながら厨房へ向かった。
着いたのは、冷蔵庫の前。
そこからたった今完成したばかりの“ケーキ”を取り出す。
それを片手に戻ってくると
永瀬さんが言った。
廉「、、それって、」
A「すごいこれにこだわるから、、、だから、永瀬さんのために作りましたよ。」
廉「え、俺のために？」
A「はい、(笑)」
張り切りすぎましたけど、味は保証します。
そう言って、彼の前にケーキを連れて行く。
ジャン、と自ら効果音を付けて箱を開けると
そこから顔を覗かせたのは、熱烈なご要望があった“タルト”。
チラッと永瀬さんに視線を移すと
彼の顔は、綺麗なまんま固まっていた。
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作者名：Tsumu | 作成日時：2020年9月23日 20時
