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廉「、、、嫌やった?」
A「え?」
廉「嫌なら、ちゃんと戻すか「嫌じゃないですよ?」、、」
A「ただ、その、、、は、恥ずかしくて、(笑)」
照れ隠しにもならない笑みに
永瀬さんの顔から一瞬にして“真面目”の字が消えた。
その引き換えに
永瀬さんらしく、ニヤっと上がった口角。
廉「ならどっちもええって事やんな?」
A「、、言わせないでくださいよ、」
廉「んふふ、、、じゃ、遠慮なく(笑)。」
そんなに嬉しそうな笑みを浮かべられたら
私は何も言えない。
私も嬉しいから。
A「、、ふふ、」
廉「え?」
A「タメ口って、仲良くなれた証みたいで、嬉しいですね、(笑)」
廉「、、そうやな。」
あ、Aちゃんもタメ口でええで?
永瀬さんはそう提案してくれたけど
お客さんにタメ口なんて恐れ多くて
口からは咄嗟に“NO”が出てきた。
廉「えー。俺だけじゃおかしない?」
A「一応お客様ですし、」
廉「一応ってなんやねん(笑)。」
A「あ、別に変な意味じゃないですよ?」
廉「ならどういう意味やねん(笑)。」
ガヤガヤと話をしながら
丁寧かつ手早くケーキを箱に入れる。
そして、その箱を目の前に出すと
彼の表情は既に幸せそうで
分かりやすく瞳をキラキラさせていた。
A「おめでとうございます、とお伝えください。」
廉「うん、伝えとくな。」
ありがとう、と
両手で大事そうにケーキを包み込んだ永瀬さんに
なんだか、胸がポワッと温かくなった。
A「、、ありがとうございました。」
廉「、、(にこっ)」
「カランカラン、」
手を振れない代わりに
元気いっぱいの笑顔を見せてくれた永瀬さん。
持ち手あるから片手で持てるのに。
そう伝えようとして
思わず止めてしまったさっきの私の気持ちが、今になって良く分かる。
彼がまたお店に来てくれる
その楽しみを、もっと楽しみにするための
1つのアクセントになるから。
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Tu9mu7(プロフ) - じくねこさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります! (2020年9月11日 21時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
じくねこ - 更新ありがとございます (2020年9月11日 21時) (レス) id: 1083519e52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tsumu | 作成日時:2020年8月19日 19時