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「、、、チュン、チュンチュン、」









 





小鳥のさえずりで



濃く深かった眠りから目が覚める。









 









 









長い夢を見てたような気がする。









けど



それがどんな夢だったのか、記憶には残ってない。









 





瞼を上げると



妙な程に冷たい涙が、私の頬を伝った。









 





A「、、、涙、」









 





拭うために体を起こすと



ここが家ではなかった事に気がつく。









と同時に



床に何かが落ちた音がした。









 





A「、、、え、毛布なんてあったっけ、」









 





落ちてる毛布に気を取られ



流れた涙はそのままに



急いで立ち上がって毛布を拾い上げる。









まじまじとそれを見つめてみるけど



こんなに高級そうな毛布、買った記憶も貰った記憶もない。









とりあえずテーブルの上にポンと置くと





どこからか出てきた紙きれが



ヒラッ、とイスの上に落っこちた。









 









 









“おはよう”



“やっぱ疲れとったんやな”



“毛布フワフワやったやろ?”



“起きたら家のベッドでちゃんと寝るんやで”



“今度はAさんが疲れてへん時に来るから”



“そん時はタルト、忘れんといてな”





“P.S.”



“花瓶、やっぱあれにして正解やったわ”



“使うてくれてありがとう”









 









 









名前がなくても分かる。









だって



この前のと、字が一緒だったから。








 









永瀬さんってそんなにタルトが好きなのかな?





というか、花瓶気づいてくれてたんだ。









 





そんなような事をわざわざ手紙にしてるのが



なんだかおかしくて





あくまでも控えめに、ふっと息をした。









 









でも



すぐにそれは“哀”の感情に変化した。









 





心配してくれて



多分、笑わせてくれて





そのどれもが嬉しいのに









今は



そのどれもにある優しさが



なぜか苦しくなる。









 









 









A「、、、会いたい、な、(ポタッ)」









 









正体不明の



“会いたい”という心の叫びと共に







得体の知れない毒素がつまった涙が、1粒だけ零れた。









 









 









 











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設定タグ:永瀬廉 , King&Prince   
作品ジャンル:恋愛
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Tu9mu7(プロフ) - じくねこさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります! (2020年9月11日 21時) (レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
じくねこ - 更新ありがとございます (2020年9月11日 21時) (レス) id: 1083519e52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tsumu | 作成日時:2020年8月19日 19時

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