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いい匂いがする。
洋楽が聞こえる。
それにつられるように
私は、瞼と顔をゆっくりと上げた。
『、、、あ、やっと起きた。』
まるで、私が起きるのを待ちわびていたかのような言葉と
今も尚、走り続けてる車に入り込む
暖かな日の光に照らされて神々しい微笑みが
ぼーっとする頭にじんわり刻み込まれる。
『疲れてたんじゃないですか？かなり寝てましたよ(笑)。』
時折、私の方をちらちら向いて話す彼。
視線が交わる
その一瞬一瞬が
私の心臓をコントロールしているようで、むず痒い。
すると
突然、視界が真っ暗になった。
長いトンネルに入ったのかと思ったのも一瞬
この場面が
あの日と似すぎている事に、私はすぐ気がついた。
『、、、俺、応援してますから。ずっと。』
今度は
私の心臓を大きく揺さぶるように、ガシッと掴まれる。
彼の姿は全く見えないのに
彼のものとしか思えない眼差しが
切なげに、そして鋭く突き刺さっている気がしてならない。
『いつか、またAさんのケーキ、食べさせてくださいよ。』
鷲掴みにされた心臓が
ギュゥ、っと握り潰されるように
息が詰まって、苦しくて仕方がなくなる。
それらから解放されぬまま
長いようで短かったトンネルから抜けて
今にも泣いてしまいそうな私の元に光が差し込むと
もう彼の姿はどこにもなく
隣に残った
私の好きな、キツくない香水の匂いすらも
胸をキツく締めつける、1つの要素にしかならなかった。
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Tu9mu7(プロフ) - じくねこさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります！ (2020年9月11日 21時) (
レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
じくねこ - 更新ありがとございます (2020年9月11日 21時) (レス) id: 1083519e52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Tsumu | 作成日時：2020年8月19日 19時
