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異様に時間が短く感じた、あの日の帰り道。
来た道を戻るように進んでいた車は
途中でコースを変えて、目的地を私の家にしてくれた。
A『、、、わざわざ家まで、ありがとうございました。』
廉『いやいや、付き合ってもろうたのはこっちなんで。』
A『あ、そっか、(笑)』
誰が見ても明らかだった、私の気の抜けた笑み。
今考えると
彼はそのタイミングをわざと狙っていたのかもしれない。
廉『、、(ガサッ)はい。』
A『、、、へ？』
廉『フッ、、ほら、早よ受け取ってや(笑)。』
状況が飲み込めないまま
してやったりな表情の永瀬さんから受け取った袋。
それが
彼がルンルンで車に戻ってきた、あの時の袋と同じだった事に気づかないまま
『、、またね、Aさん。』
スマートに手を振る彼を無意識に目で追いかけながら
固まった体に鳴り響く心臓の音を
ただ黙って聞き流す事しかできなかった。
「、、ありがとうございます。(にこ)」
A「ありがとうございました。」
再び可憐な笑みを滲ませて
女性は、大切そうにケーキを抱えながらドアを開ける。
「カランカラン、、」
乾いたベルの音が鳴ったのを確認してから
私はふぅ、と溜まっていた息を吐き出した。
あの日、永瀬さんから手渡された袋の中には
花瓶の他に、不器用に破られたメモ用紙が入ってた。
ポケットに常備してあるメモ帳を取り出して
捲るのは表紙ではなく、裏表紙。
藍梨に貸してもらった
彼女曰わく、1番可愛いマスキングテープで丁寧に貼り付けてある紙。
周りに誰も居ないことを確認すると
すぐに視線を手に落とした。
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Tu9mu7(プロフ) - じくねこさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります！ (2020年9月11日 21時) (
レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
じくねこ - 更新ありがとございます (2020年9月11日 21時) (レス) id: 1083519e52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Tsumu | 作成日時：2020年8月19日 19時
