25 ページ26
・
・
・
A「、、、綺麗だね、あなたは。」
不意にそっと語りかける私の周りには
誰も居ない。
たまたま目の前に居るだけの、小さな花瓶。
そいつの青の透明度がどこか羨ましく感じて
嫉妬を織り交ぜた嫌みを、自然な吐息のように吐き出す事しかできない。
それでも変わることなく
小さな花瓶が反射し続ける光が私の瞳を貫くと
ふとした瞬間にフラッシュバックする何かがあって
次は自身の瞳に僅かに溜まった涙が光を反射する番だった。
A「、、私も、綺麗になりたい、」
誰も傷つかないような、綺麗な言葉が欲しい。
誰もが羨んでくれるような、綺麗な心が欲しい。
具体例が思いつかないのは
“綺麗な幸せ”
その1つだけ。
綺麗な物を目にする度に自分を変に見つめ直してしまうのは
きっと私だけじゃないはず。
そう思う事で
私はこれからもずっと
誰にも言わない弱みを、綺麗なものだけに見せ続けていくのだろう。
孝助「、、、そんなに見つめられちゃあ、照れるよな(笑)。」
A「、、、孝助さん、」
孝助「気に入ってくれた？こいつらのこと。」
どこか遠い目をしながら笑う孝助さん。
綺麗だな
不意にそう感じた私は
なぜか孝助さんの瞳と永瀬さんの瞳を重ねるようにして
じっと黙った。
・
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 371人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Tu9mu7(プロフ) - じくねこさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります！ (2020年9月11日 21時) (
レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
じくねこ - 更新ありがとございます (2020年9月11日 21時) (レス) id: 1083519e52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Tsumu | 作成日時：2020年8月19日 19時
