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廉「もうじき着きますよ。」
それを合図にして、助手席側の窓を勝手に開ける。
気持ち良さげに流れ込んできた風を浴びると
見えてきたのは、“都会”には似合わない風景。
A「、、、田舎、」
廉「ハハッ、、素直な感想をどうも(笑)。」
それでも車のナビはひたすらに都内だと示し続けるから
何とも言えない不思議な感覚に陥る。
今まで私が見ていた“東京”は
もっと高くて、狭くて、少し汚れてた。
でもそれは、完全なる思い込みだったのかもしれない。
A「、、んふふ、」
廉「え？」
A「良いですね、こういう感じのとこ。」
不意に笑い出した私の肯定的な言葉に
彼は本当に小さく胸を撫で下ろしてた。
でもそれだけで、彼は何も言わない。
意外と永瀬さん、シャイだったりして。
でももしそうなら、私なんかを誘わないか。
未だに掴めない永瀬さんの性格。
こういう時には、人間にも取扱説明書が欲しくなったりする。
本当にあったら楽しくないんだろうけど。
永瀬さんの
運転に気を取られてても男らしい横顔をちらっと覗きながら
今、どんな事考えてるんだろう
そう考えているこのゆったりとした時間が、私は好きになった。
A「、、、工場？」
廉「お店もあるんですけど、大体いつもこっちに居るんで。」
A「お知り合いなんですか？」
廉「まあ。好きなんです、ここの物が。」
車から降りて足を進めながら
彼はワクワクした少年のような瞳を私に見せながら言った。
その表情は一瞬照れているようにも見えたが
それは彼なりの尊敬の現れなのかもしれない、と勝手に解釈しながら後を追う。
すると永瀬さんは、目的の人物を既に見つけてた。
A「失礼します、」
彼から手招きを受けた私は恐る恐る工場の中へ。
待っていた永瀬さんの隣に立ってた人は
まさに職人って感じの雰囲気で
汗が滴る首にかかったタオルが、何とも言えない貫禄を感じさせた。
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Tu9mu7(プロフ) - じくねこさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります！ (2020年9月11日 21時) (
レス) id: 50122a3aa2 (このIDを非表示/違反報告)
じくねこ - 更新ありがとございます (2020年9月11日 21時) (レス) id: 1083519e52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Tsumu | 作成日時：2020年8月19日 19時
