ニジュウゴ ページ26
エイジSide
8:00
「っ…ああ、」
この頭がずっしりして喉がズンッとするこの感じ
風邪だ
「あーもうだる…」
動く事が出来ないほどの辛さは久々だった
ま、仕方ないか とベッドから立ち上がる
顔はいつもより雑に洗って
ボサボサの髪は適当にワックスで固めて
歯磨きは…
まあ、昨日したし大丈夫か とマウスウォッシュを普段より2回多くして済ました
「酒臭いかな〜、まあいいや」
フラフラする頭をどうにか持ち上げて
元カノにもらったもうほぼ空の香水をシュッと適当に振って
重い金属のドアをグッと体重をかけて開けた
吐け、と言われたらいつでも吐けるほど胃はムカムカしていた
駅まで歩く
生暖かい気温が気持ち悪い
「うぅっ、」
A「っあれエイジ君？」
「やばぃっ」
A「え、なにが」
首の力がグラッと抜けた
俺は10センチ近くも身長が低い女の子にもたれかかってしまった
A「ちょっ、なに！？」
「ごめっ、」
A「なんかめっちゃ顔色悪いよ？しかも凄く熱いし…」
「出るっ」
A「何が！？」
俺はAから離れた
「うっ、」
A「エイジ君！？」
危うくAに嘔吐物を吐きかけるところだった
「ごめん、大丈夫だから仕事いきなよっ、うぅ」
A「いやいけないよ！！タクシー拾うから病院行ってきて！」
「ただの風邪だよ、平気」
A「インフルエンザとかだったらどうするつもり？」
「仕事行かなきゃいけないんだよ…」
A「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ！？」
俺はAに腕を強引に引っ張られて病院まで連れて行かれた
＊
先生「インフルエンザですね〜、最近流行ってるんですよ」
「そうですか…」
先生「災難ですね、この前も来られていましたよね」
「かかりやすいんですかね…」
先生「そうなのかもしれないですね、お薬出しておきます」
「はい」
先生「お大事に、何かあったらまた来てください」
「はい、ありがとうございました」
A「なんだった？」
「インフル…」
A「そっかー…」
「あーもう、、」
A「あ、そういえば会社に電話かけなくて大丈夫？」
「うわっ、、！やらかしたごめんちょっとかけてくるわ
薬受け取ってもらっていい？」
A「うん」
＊
案外簡単に休ませてもらえた
1週間しっかりと休んで、安静にするようにって
いつもはガミガミうるさい上司だけどこの時だけ天使のように感じられた
これから一週間かぁ、
暇になるな
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作者名：mamichan | 作成日時：2019年10月24日 4時
