拾い物はJUMPのお姫様 (ページ50)

今日:8 hit、昨日:32 hit、合計:25,326 hit

50 ページ50

山田side

「メイクだって！呼ばれてる」

「え？····わかった」

腑に落ちない顔をしているが、応じその場を離れていった。

そして、その数分後。

「あれ？Aさん？」

不安そうに歩いてくるあの人を見つけ声をかければ

『あっ····。山田さん····』

少し気まずそうに、俺の苗字を呼んだ。

来た理由は知っている。

白々しく

「なんでこんなところに？」

と問いかける。
当然知念の忘れ物を届けにと答えが返ってくるわけで。

「そうなんですね。けど、今、知念メイク中だからまだ来ないかも」

俺って性格悪いから、知念に合わせないようメイクに行くよう仕向けたんだ。

試すために。

キミも今までの元彼女のような発言をする、そう思ったから。

【じゃあ山田くん、侑李が来るまで2人でお話しません？】

何人からも言われた言葉。

知念の彼女だろ。

なんで、俺だよ。

毎回吐き出さずに飲み込んだ言葉だった。

『そうなんですね。じゃあ、これ。侑李に渡して下さい』

そう言って、持っていた茶色封筒を俺に渡してきた。

「直接渡さなくていいんですか？」

驚いて開いた口が塞がらない、よう耐えた。

頑張って演技をしたんだ。

,